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尖閣問題の核心は海洋にある 沖縄在住・與儀哲善氏

 宮古島出身の與儀哲善氏(68)から本誌に電話があった。與儀氏は石原都知事が尖閣諸島購入を言い出して国民的関心が高まっている尖閣問題で、言いたいことがあると言う。石原都知事の提言には賛成だが、一つ抜け落ちている視点があると指摘。その視点とは、売買されている海底の権利であり、尖閣問題の核心は海洋にあると言うのだ。

 「宮古島のスーパー経営者の大見謝(おおみじゃ)常雄氏などが昔、海底の鉱区を買っていたことがある。大体、1鉱区7000万円とかしていたから、鉱区権は商社や富裕層など資金の余裕がないと購入できないが、一方、多くの所有者の経済は苦しく、すでに日本人だけでなく台湾とか中国の資金が迂回するなどして買われている可能性がある」(與儀氏)と言う。鉱区権というのは石油採掘などの興行権やその先着権がついている。

 「約50年前、宮古島保漁(ぼら)沖500メートルあたりで、油田の可能性があるということで試掘したり、調査ボーリングしたりした時代があったが、なぜか政府はこの海底油田に封印した」(同)とも言う。

 稲嶺知事や大田知事にしても、これをずっと放置してきたが、そのつけがこれから回ってくることになる見込みだ。

 なお與儀氏の父・與儀巌(いわお)氏は、宮古島でカツオ船「八宝丸」を所有しており、20人の就労者を使う親方を務めていた。尖閣へは時期になると14、5人を乗せて尖閣の魚場までカツオ漁に出かけていた。それで尖閣周辺でカツオを釣り、尖閣のバイカン工場で、蒸篭を並べて身をほぐし、カツオを4つとか2つに分けて、塩水で炊いて干す作業をしていた。

 その基礎処理したものを宮古島に持ち帰り、宮古島の佐良浜(さらはま)で燻製にして出荷していたと言う。

 なお、尖閣の釜跡の史跡指定運動をしている石垣島の仲間均・市議は、八宝丸の機関長の孫でもある。

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