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マンション住民は被差別住民か!

マンション管理総合支援センター事務長 市河政彦

 マンション住民が不当で不公平な扱いを受けています。

 何が不公平かというと、まず管理料問題があります。これは基本的に行政差別から生じているものです。

 例えば、戸建ての分譲住宅が丘の上にいっぱい建てられているとします。当然、市当局が水道を供給します。どのくらいの水圧かというと、瞬間湯沸かし器をつけるのに問題がない程度です。設備も電気料も水道局の負担で、下からポンプアップして、これを可能にしています

 ところが、マンション住民となると、そこから違います

 マンションという言葉の中には、共同住宅と集合住宅という2つの意味があります。行政はマンション住民に対し共同住宅という扱い方をします。共同住宅扱いということは、民法の共有物扱いということになります。50戸のマンションがあったとしても、50戸で一人前扱いです。

 私は水道局に出かけて、マンションはみんながお金を出し合って作った集合住宅だから、丘の上に作った分譲住宅に水道を供給するのと同じ扱いにしてくれと申し入れたことがあります。

 だが、水道局の対応はにべもなく、今もってマンションには敷地内で受水槽を設ける他、屋上には高架水槽があるのが大多数を占めています。

 屋上に水を押し上げる設備費と電気代は、全部組合持ちです。だから管理料が発生します。

 しかし、丘の上の分譲住宅は戸建だから、水道局が電気代も含めて持ちますという。一方、これがマンションだと年に一度は、受水槽と高架水槽の掃除もしてくださいとなっています。

 戸建の場合、水道だとメーターまでは水道局の費用。メーターから先が個人のものとなっています。マンションの場合でも、メーターは各戸についています。だが、メーターまでは組合の共有物を使っています。管理組合は個人とは別人格になるので、本来なら使用量が発生します。しかし、全国の水道局は使用量を払わないままです。

 分譲地では、道路が公有地にならない場合があります。こうした場合、元の分譲業者の名前で所有権を持っているケースが多いのですが、これには固定資産税をかけません。資産税は無料です。

 この場合は土地ですが、マンションでは占有区分に通じる廊下だとか、通路があります。自分の邪魔になった荷物を、通路などにおいて置いていいわけがありません。

 こうした公共性の高い通路なのに、マンションの場合、20坪の専有区分を買うと25坪ぐらいの固定資産税をかけてきます。戸建ての道路固定資産税はただなのにです。

 さらに、電力会社との問題もあります。分譲住宅地として開発すると通常、5所帯で一個程度の電柱がいります。そうすると100戸あると20本くらい電柱を建てなくてはいけません。そして、トランスも必要です。しかも、通路に建てた電柱には公道、私道と関係なく年間で一本2000円ぐらい道路使用量を払っています。

 ところが、マンションでは電柱が一本もいらないだけではありません。大きなマンションとなると、電柱のトランスでは電気を供給できず、トランスを置く借室をマンション側は用意しないといけません。それには土地代もコンクリート代もかかるのです。それを東電は借りた上に、組合人でも絶対に中に入れません。電力会社の人しか中に入れないのです。そして借室だから使用料を払うのかというと、無料です。にもかかわらず、固定資産税の方は区分所有者にあん分して課税させています。

 戸別の玄関には、東京電力のメーターがつきます。そこまで通じるまでには、マンションの共有物を使って配電しています。電柱分程度の使用料でも払ったらいいと思いますが、全国の電力会社は使用料の支払いはしていません。

 被差別住民のような非合理で非公正な扱いをうけているマンション住民を、このまま放置し続けて良いわけはありません。マンション住民は立ち上がって、行政差別を解消すべきです。

 「すべて国民は法の下に平等」で「差別されない」と規定した日本国憲法第14条を留意して立ち上がるべき時は、現在をおいてないからです。

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