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経営者版日本長者番付

高額役員報酬ランキング 1億円以上が361人

ヤマダ電機が報酬格差トップグループに

 日本経済の1断面図を示す高額役員報酬ランキングが今年も発表された。

 同ランキングは、かつて発表された高額納税ランキングとは違って、芸能人やスポーツ選手が含まれていないことと、株式配当金など役員報酬以外の収入などがカウントされていないことで、経営者版日本長者番付のリアルな実態が分かるものだ。

 13年3月期の高額役員報酬ランキング最高額は日産自動車のカルロス・ゴーン社長(9億8800万円)だったが、今回は5位(9億9500万円)に転落した。それでもトヨタ自動車の豊田章男社長(2億3000万円)の4倍以上と突出している。

 日産の株主総会では、株主から「ゴーン社長の報酬は日本企業の中では高い」との声が出たが、ゴーン氏は「日産はグローバル企業であり、世界的な競合他社に比べると高くない」と反論、「もらいすぎでは」との批判の声に柳に風のしたたかぶりだ。

 役員報酬が1 億円以上となった3 6 1 人の役員報酬総額は664億8400万円(前年同期301人、508億3000万円)で、前年同期より156億5400万円増加した。役員報酬の主な内訳は、基本報酬が369億7300万円(構成比55・6%)、賞与が118億5100万円(同17・8%)、退職慰労金(引当金繰入額含む)が91億1800万円(同13・7%)だった。

 14年3月期決算の役員報酬の最高額は、キョウデンの橋本浩最高顧問で12億9200万円。13年6月27日の定時株主総会をもって代表取締役を退任し、報酬額のうち12億6800万円が役員退職慰労金だった。

 以下、カシオ計算機の樫尾和雄社長12億3300万円と、樫尾幸雄特別顧問10億8300万円、武田薬品工業のフランク・モリッヒ元取締役(チーフコマーシャルオフィサー)が10億1600万円、それに9億8800万円のカルロス・ゴーン日産社長と続く。

 なお上位10人のうち、5人が役員退職慰労金(引当金繰入額を含む)主体の役員報酬だった。

 今回、ランキングされた361人のうち、知名度の高い有名人ランキングでは、トップにカルロス・ゴーン日産社長。2位にはエイベックスHDの松浦勝人社長がランクされた。松浦氏は貸しレコード店のアルバイトから身を起こし、億万長者に上り詰めたジャパン・ドリームを体現した伝説的人物。松浦氏の年収は4億6100万円だった。

従業員平均給与平均700万円台が開示人数が最多

 なお個別開示のあった企業の従業員平均給与をみると、社数では600万円台が51社(構成比26・7%、前年同期45社)で最多。次いで、700万円台が42社(同21・9%、同32社)、500万円台が30社(同15・7%、同31社)と続く。

 開示人数では、700万円台が89人(同24・6%、同50人)と最多。次いで、1000万円以上が82人(同22・7%、同70人)、600万円台が72人(同19・9%、同65人)と続く。

 13年3 月期では従業員の平均給与600万円台の個別開示人数が最も多かったが、14年3月期は700万円台に上昇している。

 いずれにせよ役員だけが高額報酬をとるのではなく、社員にも還元されていれば少々、役員と社員の報酬の格差が高くても誰も文句をつける筋合いのものではない。

 一方、役員が2億円以上の高額報酬を受け取りながら、社員の平均給料が低かったランキングでトップになったのは、福岡県に本社を置くタクシー会社第一交通産業だった。2位がヤマダ電機だ。

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