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一般社団法人日本・ガーナ経済文化交流会 加賀祐介・代表理事に聞く(3)

コモロ名誉総領事就任へ

 「21世紀はアフリカの世紀」とばかり、アフリカへの期待と夢を胸にビジネスとボランティア活動に熱心に取り組んでいる一般社団法人「日本・ガーナ経済文化交流会」の加賀祐介代表理事が、まもなくコモロ名誉総領事に就任する。アフリカ西海岸のガーナやインド洋側のコモロ、マダガスカルとアフリカを股にかけて活躍する加賀氏に「夢の扉」の中身を聞いた。


――加賀さんがアフリカにかける夢は大きなものがあるわけですが、アジア・アフリカ関係の展望はどうですか?

 とりわけインド洋で結ばれた東南アジアとアフリカとの関係は強いものがあります。

 アフリカでは主食がコメという国が少なくないが、多くはミャンマーとかタイ、カンボジア、ベトナム産のインディカ米が輸入されています。アフリカで食べられているコメは、ジャポニカではなく細長いインディカ米です。

 アフリカには稲を作る田園はないが、中国人がいろんな国に入ってきて、チャイニーズレストランがたくさんあります。それで現地の人は、チャーハンとか中華料理を食べるようになった経緯があります。

 無論、パンも主食としていろんな国で食べられています。フランス領とかイギリス領とか欧州の植民時代が長なったことが影響しています。

――コモロの食事は?

 フランス領だったこともあって、料理は美味しいです。とりわけガーナに比べると、全く食文化が違うことに驚かされました。

 魚や海老とか海産物が豊かで安いし、とにかく新鮮で美味しいです。日本からのODA(政府開発援助)で漁業の指導もしています。またコモロの輸出品の一つはバニラだが、インドの影響も受けた香辛料文化が息づいておりバラエティーに富んでいます。

 人種的にもコモロ人というのは、インド人と中東のイスラム系が混ざったような顔立ちをしており、島国らしくとても温厚だ。顔立ちも、やさしい感じでおっとりしている。

 コモロには主要産業がないので、アフリカの中でも最貧国でもある。人口も80万人程度でしかいません。

 ただ、2年前に海底油田が発見された。天然ガスや石油が取れるようになると、埋蔵量如何にもよるが大きなターニングポイントを迎えるようになると思います。

 隣国のモザンビークやタンザニアも油田があることから、そもそもコモロで天然ガスや石油がとれてもおかしくない地域になります。既に、米国の石油会社が、コモロの一鉱区を買い取り契約済みとなっています。

 アフリカの小さな国にも関わらず、今年7月11日には、コモロから大使が東京に来て宮内庁で陛下から認証を受けています。東京には大使館ではなく領事館ができます。

――80万人の島国コモロが日本に大使を送る意図は何でしょうか?

 半年前からコモロ外務省の方から、東京に領事館を作りたいとの意向が出されていました。コモロが日本にかける期待は、まず日本企業に進出してもらいたいし、コモロの発展のため、日本政府からODAを取り付けたい思惑もあって、外務省の出先機関を東京に置くことになった経緯があります。

 皇居で行われる天皇陛下による認証式は、明治記念館からの出発となります。赴任大使は皇居に赴くのに車両か馬車か選択できるが、ほとんど全ての人が選ぶ馬車を大使も選択して皇居に向かいました。

 今回社団法人日本・コモロ経済文化観光交流会を立ち上げました。我々としては現地での支援活動を通して日本企業として出来る事をしていきたいと思っています。

 今回、コモロを訪問して、日本でいえば外務省と経済産業省の事務次官の立場の人や商工会会長に会ってきました。

 大統領や大臣などはほとんど、外国に出ているので、コモロでは官僚のトップと仕事をすりあわせていくことになります。

 今回は内務省次官の計らいで、大統領夫人と会う機会を与えられました。大統領の自宅に招待されて家まで訪問したのですが、ファーストレディーは大統領が就任した時から、ボランティア活動に取り組んでいました。アフリカでは全体的にエイズ問題があることから、そのエイズ患者の支援、さらに孤児院の援助やシングルマザーのバックアップ活動も熱心に取り組んでいました。

 そもそも夫人が看護師だったこともあり、医療やエコ問題にも本腰を入れて取り組んでいます。

 これから具体的な依頼が大統領夫人やコモロ政府から私の方に来ますので、誠実に対処していきたいと思っています。

――日本政府への要望は?

 コモロは世界最貧国ですし、ODAを出して欲しい。そうすることで日本のバーゲニングパワーが増し、コモロ政府からの信頼を得ることによって資源開発の支援もしていきたいと思っています。

――次回、訪問するのは?

 11月にマダガスカルとコモロの2国を訪問する予定で、リゾート開発をやりたいという日本人投資家も同行します。

 マダガスカルでは大統領ともお会いする。これはマダガスカルを含めいろんな国に行って柔道を教えている柔道家の甲斐光(わたる)氏の紹介によるものです。

 甲斐氏と一緒に、社団法人の日本マダカスカル経済文化観光交流会というものを9月中にも作ります。社団法人では甲斐氏が理事、私は代表理事を務めることになります。

 マダガスカルは5年間ぐらい、大統領は就任しているものの国連などから承認されていませんでした。その為、インフラ整備等がかなり遅れています。

 マダガスカルと言えば観光とか有名ですが、国としては日本の支援を得て経済活動を活発にしていきたいと思っています。マダガスカルは日本と同じ位の国土を有し、人口は2000万人ぐらいいる結構大きな国です。

 私としては今後、コモロとマダガスカルは近いので、両方の国を訪問して支援して行きたいと思っています。

 マダガスカル・コモロ・ガーナなどのボランティア活動を積極的にやっていき実績を積み、他の国でも依頼があれば積極的に支援を行なっていきたいと思っています。

 コモロでは今回、コモロクリーンプロジェクトを立ち上げました。コモロは小さな島なのですが、ゴミの処理場がありません。島の自然は綺麗なのに、道とかビーチとかあちこちにゴミが散乱している状態です。それで大学教授が試験的に作って完成したゴミ処理機をコモロに送るつもりです。

 大統領夫人が援助している女性たちに対し、ビーチとか担当地域を決めてそのゴミを持ってきてくれたら、日当を出す形で展開するクリーンプロジェクトです。観光の島にゴミがあると幻滅ものです。これだと島も綺麗になるし、女性達の仕事にもなります。

 それに観光産業の振興を図るため、コモロ政府が所有しているホテルがあります。コモロでは一番いいホテルですが、景色はすごくいいのですが、一流ホテルと比べると設備も劣るし、セキュリティーも課題が多いです。

 コモロ政府とすれば要人が来た時、きちんともてなしが出来るホテルが欲しいと思っています。そこで、共同でホテルを経営してほしいという依頼が来て現在計画中です。

 コモロ・マダガスカル・ガーナに進出したい日本企業があれば積極的に支援して行きますので、興味がありましたら、ぜひ問い合わせ(メイルアドレス=japan.ghana.economic@gmail.com) をお願い致します。

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