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霞ヶ関ファイル

上川陽子法相 記者会見 7・27

「LGBTは生産性がない」

【記者】副大臣がフランス・イタリアに、政務官がミャンマー・ベトナムにそれぞれ出張される御予定だそうですが、出張の目的、意義を教えてください。また、大臣御自身の海外出張の予定はありますか。

【大臣】法務省においては、法務行政の基本方針として、法の支配を貫徹し、国際分野のあらゆる活動に対し、法の支配を浸透させるために「司法外交」を推進しています。その一環として葉梨副大臣は7月29日から8月3日までフランス・イタリアを、また、山下政務官は7月31日から8月3日までミャンマー・ベトナムを訪問する予定です。
 葉梨副大臣の出張では、フランスで国際商業会議所の国際仲裁裁判所のほか、司法省及びパリ大審裁判所検事局を、イタリアで司法省、ローマ地方検察庁等を訪問する予定です。国際的な紛争の解決手段として国際仲裁がグローバルスタンダードとなる中で、政府としても省庁横断的に国際仲裁の活性化に向けた取り組みを進めているところです。
 法務省として、施策の更なる検討、深化に向けて世界有数の仲裁機関を要する国際商業会議所を訪問してハイレベルとの意見交換を行い、連携を深める予定です。また、我が国は、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控えており、国境を越えた人の移動が盛んでテロ対策にも力を入れているフランス、そしてイタリアにおいて、司法省等のカウンターパートと意見交換を行い、テロ対策を含む法務行政における協力関係を一層強化してまいりたいと考えています。
 山下政務官ですが、外国人技能実習生等の受入れが活発化し、また、法制度整備支援への期待がますます高まっているベトナム及びミャンマーのカウンターパート等を訪問する予定です。外国人技能実習生の増加については喜ばしいことであると考えていますが、様々な問題も発生しており、技能実習制度を所管する監督省庁や技能実習生の送出機関に対し、技能実習制度が適切に運用されるよう働きかける予定です。
 また、両国に対して行っている法制度整備支援を今後、更に充実・強化してまいりたいと思っており、そのための意見交換も予定しているところです。法務省の副大臣及び政務官が直接、海外に赴き、現地のハイレベルと対話、そして交渉を行うことにより、司法外交の積極展開が期待されるところであると考えておいます。
 また、私自身の海外出張ですが、現時点では予定をしていません。本年5月に英国及びオーストリアに出張しました。著名な国際仲裁機関であるロンドン国際仲裁裁判所や英国内務省等のカウンターパート、また、国連薬物犯罪事務所(UNODC)の要人と対話等をしてきたところです。司法外交についても、その推進について確かな手応えを得たところです。今後も司法外交の推進に自ら貢献すべく、適切な訪問先等について検討してまいりたいと考えています。

【記者】名古屋刑務所で、受刑者が熱中症により死亡する事案があったとの報道がありましたが、その点についての法務大臣の御所感をお願いします。

【大臣】7月24日(火)、名古屋刑務所において、40歳代の男性受刑者が熱中症により死亡したことは承知しています。全国の矯正施設において、今回の大変厳しい猛暑に対する熱中症の予防対策については、適切に対応しているものと承知していますが、被収容者の健康管理については、万全を期してまいりたいと考えています。  今後も引き続き猛暑日が続くことが予想されるので、全国の矯正施設において、熱中症を起こすことがないよう、矯正局に対しては、熱中症予防対策に万全を期すよう改めて指示をしたところです。また、昨日、矯正局から全国の矯正施設に対し、更なる熱中症の予防対策に関する通知を発出しました。

【記者】法制審議会少年法・刑事法部会第8回会議が開催され、分科会における検討結果が報告されましたが、その審議の状況と今後の見通しについて教えてください。

【大臣】少年法における「少年」の上限年齢の検討ですが、刑事司法全般において、成長過程にある若年者をいかに取り扱い、改善更生・再犯防止を図るかということが、大変大きな問題となっています。
 そこで、平成29年2月、法制審議会に対し、「少年」の年齢を18歳未満とすること、また、犯罪者処遇を充実させるための刑事法の整備の在り方について諮問しました。そして、部会において調査審議をしていただいているという状況です。

【記者】杉田水脈議員の、「LGBTは生産性がない」という発言について、人権擁護を担当する省庁の大臣としてどのように考えるかお聞かせください。

【大臣】御指摘の点については、報道等で承知しているところです。国会議員個人がした発言ですので、個人の発言について法務大臣としてコメントをする立場にはなく、お答えは差し控えたいと思います。 
 人権擁護を所掌している法務省としての一般論ということで申し上げると、性的指向や性自認に関する国民全体の理解が深まっており、差別や偏見が解消されることについては、誰もがお互いの人権を尊重し合う、そして大切にし合うという共生社会の実現のために重要であると認識しています。
 法務省としては、性的指向や性自認に対する正しい理解を促進するとともに、社会全体が多様性を受け入れる環境づくりを進めるため、今後も引き続き、啓発活動や適切な相談対応などの人権擁護活動にしっかりと取り組んでまいりたいと思っています。

【記者】普天間基地の辺野古移設の関連で、沖縄県の翁長知事が今日、前の知事が行った埋立て承認の撤回を行うという状況ですが、訟務局を所管する法務省として、今後翁長知事の撤回に対してどのように臨んでいくか、お答えください。

【大臣】ただ今の御質問ですが、沖縄県としての対応に関することですので、私の方からコメントすることについては、差し控えさせていただきたいと考えています。

【記者】昨日の執行に関連してなのですが、死刑制度について改めて大臣が考えられる制度の意義と、死刑廃止についての考えをお聞かせください。

【大臣】死刑制度の存廃に関する御質問ですが、死刑は我が国の刑事司法制度の根幹に関わる重要な問題でして、国民世論に十分配慮しつつ、社会における正義の実現と種々の観点から、慎重に検討すべきものと考えています。国民の世論の多数が、極めて悪質、凶悪な犯罪については死刑もやむを得ないと認識しており、多数の者に対する殺人や強盗殺人等の凶悪犯罪がいまだ後を絶たないという状況等に鑑みると、その罪質が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対しては、死刑を科することもやむを得ないと考えており、直ちに死刑制度を見直すことにはならないと考えているところです。

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