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記者会見

河野太郎外相 記者会見 9・12

北方四島返還問題

【大臣】今日の朝、ベトナムのフック首相にお迎えをいただいた後、ASEANに関する世界経済フォーラムのオープニングプレナリーセッションに出席いたしました。ASEAN各国の首脳のスピーチを拝聴いたしました。午後はミャンマー、ベトナム、カンボジアの要人とお目にかかりました。まず、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家最高顧問兼外相との会談では、ラカイン州の情勢について率直に意見交換を行いました。ベトナムのクアン国家主席への表敬では外交関係樹立45周年ということで、国賓としてクアン主席も訪日されましたので、今後の両国関係をいかに発展させるか、ということで意見交換をさせていただきました。カンボジアのフンセン首相への表敬では、先週、新政権発足もありましたが、今後の両国関係を踏まえて、さまざま意見交換をさせていただいたところです。以上です。

【記者】スー・チーさんとの会談でですね、このラカイン州の問題についてはスー・チーさんの方からはどうやって取り組んでいくという言及があったのでしょうか。

【大臣】こちら側から、国連との関係ですとか、独立調査団の話ですとか、さまざま問題提起をしたことに関して、ミャンマー側の取り組みについてご説明をいただきました。いろいろな準備をしっかり進めてくれていると思いますし、国連のスタッフがいよいよラカイン州北部でも活動を開始できる状況になったことは非常に喜ばしいと思っておりますので、なるべく早い段階で、避難されている方々がミャンマーに戻って来られるような具体的な動きにつなげて参りたいと思います。

【記者】河野外務大臣、この問題では欧米諸国とはちょっと違う別なアプローチをとられているのかなと思いますけれども、なかなかおっしゃったように帰還が思うように進まない中で、日本に対して国際社会からの批判が高まるという懸念はないでしょうか。

【大臣】全くありません。

【記者】カンボジアのフンセン首相との会談についてちょっとお伺いしますが、総選挙を巡っては、与党がすべてを独占するという形になったという形で、前回も大臣、外相には懸念を伝えてらっしゃるかと思うんですけども、それはまた首相には今回伝えられたんでしょうか。

【大臣】今回、無効票が多いということをはじめ、さまざまな面で日本としては残念に思いますということは申し上げました。カンボジアが民主的に安定して発展をするということが地域にとっても非常に大切なことですし、日本が20数年間にわたりカンボジアを支えてきたということも、いわばそれを目指してのことですから、カンボジアの民主化ということについて、私の方から少し日本政府の考えを申し上げました。

【記者】それについて、フンセン首相から何か具体的な答えというか、どのようにフンセン首相が応じた形になったのでしょうか。

【大臣】カンボジア政府側の説明というのを承りました。我々としては人民党、それから野党、カンボジアで民主主義を定着させるためのいわばキャパシティ・ビルディングみたいなことを日本としては積極的にやって参りたいという風に考えておりますので、フンセン首相には人民党あるいは与党、一緒に日本へお招きをして、そのようなことをやっていく用意がありますということはお伝えをいたしました。

【記者】スー・チーさんとの会談に戻るんですけども、ロイター通信の記者が有罪判決を受けたことについて、日本側として懸念を伝えたと思うんですけれども、どういった言葉で伝えたのか、ということと、スー・チーさんの方の反応、どういった言葉が返ってきたのか教えてください。

【大臣】この問題は国際的にも関心の高い問題でありますので、日本側からは先般来、スー・チーさんにこの問題についてはしっかりと対応していただきたいということはさまざま申し上げてきております。スー・チーさんからもこの問題について、いろいろお話がありましたが、これは外交上の話ですから先方の反応については差し控えたいと思います。

【記者】懸念というのは大臣としては釈放するようにお願いしたということでしょうか。

【大臣】やりとりについては差し控えます。

【記者】カンボジアですが、先だって救国党の党首だったケム・ソカーさんが解放されましたが、まだちょっと自由な状況ではなさそうだというような情報もありますけれど、このあたりは何かお二人のやりとりとかはありましたか。

【大臣】彼の体調の問題も含め、日本側からは非常に懸念しているというようなことは常々申し上げて参りました。これはカンボジア側としてもさまざま考えるところはあるんだろうというふうに思っておりますが、体調面を含め、きちんと人権が尊重されるようにこれからも働きかけていきたいと思います。

【記者】先ほど、与党と野党とそういうものがきちんとある環境というふうなお話がありましたが、救国党の復党みたいなことについてはお話はございましたか。

【大臣】先方の話については少し差し控えたいと思いますが、カンボジアの民主化が重要だ、ということはフンセン首相もよくご理解をされておりますし、内戦の終結から、国民和解の先導をしてくる立場、してきた立場にある人ですから、国民和解の重要性についてはよくご理解をいただいているというふうに思っております。今後、カンボジアの政治がいかに民主的に発展できるかということについて、これは日本も大いに関心のあるところですから、先ほど申し上げたかと思いますが、キャパシティ・ビルディングをはじめ、日本として支援できるところはしっかりやっていきたいと思います。

【記者】話は変わりますが、ロシアのウラジオの東方経済フォーラムでプーチン大統領が平和条約の日露交渉に関して、前提条件なしに、年内に平和条約を締結を、ということを訴えました。これに対して日本政府としてどう対応していくのでしょうか。

【大臣】特に首脳会談の中でもそんな話はなかったと聞いております。日本政府としては四島の帰属の問題を解決し、平和条約を締結するという考え方に全く変わりはありません。

【記者】プーチンさんの発言はこれまでの方針の前提を覆すような発言だと思いますけども、今後どのように対応していくのでしょうか。

【大臣】日本政府として、四島の帰属の問題を解決し平和条約を締結するという方針になんら変わりはありません。

【記者】首脳会談の場でですね、そういったことを表明せずに公の場でいきなり、これまでの議論とは全く違うことを言い出す、そういうプーチン大統領の態度についてはどう思われますか。

【大臣】プーチン大統領の意図について私は申し上げる立場にございませんが、日本政府としては方針になんの変わりもありません。

【記者】仮に、そういった発言が公の場で突然飛び出すということは、プーチン大統領としては解決する気はないんじゃないかという分析もできうるのかなと思うんですけど。

【大臣】意図についてなにか申し上げる立場にはありません。

【記者】いままで、あのラブロフ外相とも長く会談をされてきたかと思いますけれど、今日のプーチン大統領の話と同じ、あるいはそれにつながるような話というのは一切なかったのでしょうか。

【大臣】ありません。

【記者】フンセン首相の先ほどの話の件に戻りますけれども、救国党の復党も含め、もちろんその民主的な政治プロセスをしてほしいというのが日本の求めていることだと思うんですけども、そういうことを伝えたことに対してフンセン首相からはどういった反応だったり、どういうような回答があったのでしょうか。

【大臣】先方の反応を公にするのは差し控えたいと思いますが、カンボジアの民主化、民主的なカンボジアの発展が重要だという認識は一致をしていると申し上げておきます。

【記者】プーチン大統領の発言に対して、日本政府として抗議する考えはございますでしょうか。

【大臣】日本政府として別に方針になんら変わりもありません。

【記者】抗議するつもりはないのでしょうか。

【大臣】まだそれは何も、私も又聞きですから、何か申し上げる立場にありません。

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