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ベトナムでオープンした日系カジノ 本命はカジノ解禁間近の日本市場

 ベトナムの首都ハノイで今春、日系カジノ「ハリウッドワン・ゲーミングクラブ・ハノイ」がオペラハウスに近い繁華街で開業した。
 カジノは5つ星ホテルの地下にあり、ルーレットやバカラ、さらに大小の電子テーブルゲーム(ETG)、ビデオスロットマシンなどのカジノゲーム機を置き、24時間利用することができる。
 これまでの東南アジアのカジノは、シンガポールを例外に豊かな隣国の富裕層をターゲットにしていた。水が高きから低きに流れるのにも似ている。博打が禁止されているタイの富裕層をターゲットにしたカジノが、ミャンマーやラオス、カンボジアの国境周辺には目白押しだ。
 また、中国と隣接するベトナムには、北部の国境にカジノが開設されている。商都ホーチミン市の資産家をターゲットにしたカジノが、カンボジア側の国境にはある。だからカジノの様相を見るだけで、東南アジアの経済格差の状況は一目瞭然だった。
 その意味からすると今春、ハノイでオープンした日系カジノは、これまでとは意味が違う。
 「ハリウッドワン」の経営主体は、北海道、東北、関東にパチンコホール30店舗を展開するベガスベガス(山形県山形市)。同社は東南アジア諸国連合(ASEAN)最後のフロンティアとして製造業を中心に経済的力を身につけるとともに、外国人観光客急増を背景に、「日本で培った接客術や運営などの経営力をベトナムに提供する」として日本人スタッフを駐在させ、現地スタッフの接客・サービスの教育に力を注いできた経緯がある。
 しかし、最終的に狙っているのは日本市場だ。
 日本のカジノ解禁を次のビジネスチャンスのスタートラインと設定した上で、ベトナムでカジノビジネスのノウハウを蓄積することに注力し、日本での勝負に出る腹積もりだ。 山形の春は4月下旬に、一気に訪れる。桜も5月だけでなく、真っ白な小さな花が一面に咲き乱れるラ・フランス、それに純白の花さくらんぼ、白花にピンクの色どりを添える桃の花など桃源郷を思わせるような百花繚乱ぶりだ。
 その山形に根を持つベガスベガス社のベトナムビジネスをジャンプボードにしたカジノビジネスが、日本への帰省を果たし返り咲くことになれば、ASEANを活用した新たなビジネスモデルとして注目を浴びるのは必至だ。

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