編集後記
▽昨年の新語トップテンに、国会の議論がかみ合わない様子を表した言葉「御飯論法」が入った。
「朝ごはんを食べましたか」と聞かれた人が「御飯は食べていません」と答える。ところが、この人はパンを食べていた。
もちろん、聞いた人は「朝食をとりましたか」と聞いているのだが、「ご飯は食べていないい」と答えることで議論がかみ合わなくなる。もしくはごまかされていくということを比喩的に表した言葉だ。
国会論戦にも、こうした「御飯論法」が目立つ。
英議会で審議日程は事務局が機械的に決めていく。例えば毎週月曜から木曜の昼一時間は、大臣への質疑に振り分けていて、政局と無関係に大臣が順番に出てきて、野党議員の質問を受ける。そのテーマは何でもよく、こうした時間が政局と無関係に確保されている。また毎週金曜は、野党提出の議案審議日と決められてもいる。
英国では、議会の混乱など歴史的に悲しい過去があったりして、こうした野党にも配慮する議会運営が確立されている。
我が国の国会は、まもなく終盤を迎える。終われば、暑い夏の選挙戦が始まる。(I)
▽趣味の家庭菜園は7年目を迎えた。同じ時期に始めた友人と「中学校に同時進級だね」と言いながら、次の高校進学に備えている。市から借り受けている農園は、契約期間が3年で、不始末をすると更新できなくなる。
なお、この農園では80代や90代の高齢者も少なくない。1区画が3坪程度と猫の額とはいえ、さすがに30、40センチほど畑を掘り起こして、夏野菜にむけた畑をつくるのは一仕事だ。すばらしいのはこうした足腰が弱った高齢者を助ける自発ボランティアがいて、力仕事を引き受けている畑仲間が少なくないことだ。
助ける動機は、足腰が弱った高齢者への思いやりだ。畑にも来なくなれば、家に閉じこもってテレビを見るだけの生活になりがちだ。そうすれば出歩くこともなくなり、ますます足腰は弱り、内臓も悪くなる。歩かなくなると、内臓の健康維持は難しくなる。
何より畑は気が晴れる。私が知っている一人暮らしの老人は、家では猫と話すだけで、畑にきて初めて人と話せるのを喜びとしている。畑仕事は土をいじり、自然と触れ合う喜びもあるが、それ以上に人とのふれあいがあり心を耕してくれる。(T)
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国会両院記者会所属 新政界往来社 新政界往来3月号((創刊昭和5年) 2019年6月1日発行 |