記者会見

永田町ファイル

国民民主党 玉木雄一郎代表

立憲民主党との合流 1・20


【代表】きょう両院議員総会が開催され、「合流協議推進」についての議論が行われました。途中、津村代議士、奥野代議士を中心に、24名の方が署名をした「決議案」が出されました。「国民民主党は、自民党政権に代わって政権を担いうる強力な態勢を築くため、立憲民主党と合流する。そのため、速やかに党首会談を開き、合流について基本合意を行う」という中身の「決議案」でした。

 このことについてさまざまな議論が行われ、提出者からは採決を求めるということで提出されましたが、決議しないということで、採決をもって議題として取り上げることも否決をされたというのが最終的な結論です。議題とすることを否決したということです。

 いわば現在の条件で現時点において合流を決定することが党の意思として否定されたということですから、これまでの方針どおり、引き続き粘り強く交渉を行って、できるだけ多くの者が納得して参加できるプラットフォームづくりに努めていきたいし、粘り強く交渉を継続していきたい。それがきょうの両院議員総会の結論だと認識しています。

【記者】挙手なりで賛否を問われたと思いますが、その数字を教えていただきたいのと、今後の協議の進め方について玉木代表としては具体的にどのように考えていますか。

【代表】19対28でした。28の方が取り上げるべきではない、19の方が取り上げるべきだということでしたので、そもそも採決にも至らなかったということです。

 まず、私から交渉を打ち切る気はありません。大きな固まりをつくろうということをずっと申し上げてきましたが、これは内実ともに単なる形式的ではない固まりにするためには、やはり政策・理念のすり合わせは大切だと思います。私たちが中道ということを言っているのは、単に路線的に真ん中にあるということではありません。単なる対決だけではなくて解決策も示していこう、反対だけではなく提案していこうという、わが党のある種の立ち位置、立場が日本の政治、日本の野党全体にとっても必要だと思うので、こういったことをしっかりと反映できるように粘り強く交渉をしていきたい。

 同時に、国会が始まりましたので、昨年の臨時国会からできている共同会派の枠組みの中で、やはり野党が一致協力して力を合わせて安倍政権に厳しく対峙していくことが大切だと思いますので、そういった活動を積み重ねながら、さらに衆参両院における信頼醸成を高めて、交渉・協議も前に進めていきたいし、進めるエンジンにしていきたいと思っています。

【記者】仮に先方が協議を打ち切ると言った場合、どのように対応されますか。

【代表】我々としては引き続き双方が納得できる着地点を見出せるように粘り強く交渉していきたいと思っていますので、我々の考え方をお伝えしながら進めていければと思っています。

 ただ、今やはり集中すべきは国会だと思いますので、その意味でも一旦小休止ということにはなるのかもしれませんが、大きな固まりをつくって政権与党に向き合うという、その方向性は変わっていませんので、そういった思いを持ちながらまずは国会に集中する。枝野さんも同じ思いでいらっしゃるのかなと思っています。

【記者】今回、枝野代表との間で考え方の違いが明らかになったことで、共同会派の中での信頼関係に亀裂が入るのではないかという意見も両党内からあります。そこについての受けとめ、または責任を感じている部分はありますか。

【代表】共同会派までたどり着いたのが現時点の到達点で、それをさらにどう深化させるか。その一形態として党の合流をこれまで議論してきましたから、戻っても共同会派の水準です。合流がどうこうということを置いておいても、国会の中でのともに戦う態勢や、選挙における調整はさらに深化させていきたい。それは枝野代表も共有していると私は思っていますので心配していません。安倍政権に向き合うためには、とにかく野党間の連携は強化こそすれ後退させてはなりません。

【記者】19対28ということですが、きょう出席されたのは52名です。どちらにも賛成しなかった方がいらっしゃるということですか。

【代表】こちら(執行部席)に座っているので、あえて私自身は票を投じませんでしたし、棄権をされた方もいるということですね。私もそういう意味では棄権しました。

【記者】今回の「決議案」、早期の合流を求める声が一定数の方々から出たことについて、その理由等を代表としてどう受けとめていらっしゃるかと、19人の方がそれを求めたことで、今後の代表の交渉方針に影響を与えますか。

【代表】交渉方針は変わりません。19人の方のおっしゃることもよく分かります。衆議院の選挙はいつあるか分からないという中で、できるだけ大きな固まりで選挙を戦いたいという気持ちもあります。彼らの思いがかなうように、実現できるようにもぜひ持っていきたい。今回議題として取り上げることが否決されましたが、それを提案された方々の思いもよく分かりますから、その思いもしっかりと踏まえて交渉に臨みたい。

【記者】19人の方が賛成され、早期合流を希求したゆえに離党するとか分党を要求するとか、そういった事態になったときに代表はどのように対応されますか。

【代表】仮定の話に予断を持って答えることは差し控えたい。ただ、それぞれ思いがあることもよく分かりましたので、それぞれの思いがかなうような方策も考えていかなければいけないと思っています。

新型肺炎対策  2・5

【記者】新型コロナウイルスに関連して。横浜港に停泊している船への対応、さらに客室の中でも食事をする際にどういった対応をしているのかとか、きょうもさまざま国会議論があったが、ここまでごらんになって政府の対応について点数をつけると何点くらいか。

【代表】なかなか点数をつけるのは難しいと思います。万全、できるだけ、彼らも忙しい中全省を挙げてやっていると思いますが、昨年末に中国で発生した際に、今既に習近平国家主席も認めていますが、初動に問題があったと中国政府も認めているわけですが、そのころの状況・対応に似ているのではないかと思います。

 やはり事態に対する認識が、まだまだ、全容がよくわからないということもあるのですが、やはり後手後手に回らざるを得なくなっているので、その意味でも「新感染症」への指定をして特措法に基づく最大限の対応ができるような措置をとるべきだと思います。

共同会派の方向性自体が間違い

記者コラム

 立憲民主党が国民民主党などに呼び掛けてきた合流構想が破談となった。立憲民主の枝野代表は「独自路線」にこだわっていたが昨年12月に入って、国民民主と社民に合流を呼び掛けた。表向き「2月総選挙のつもりで構える」とし、東京、神奈川、静岡、岡山など国民民主と候補予定者が競合する9選挙区で一本化を図るとともに、候補者不在の70の空白区を埋めたいと語っていた。しかし、それだけではない。

 結党から2年が経ち、政党支持率が半減して8%に満たない。資金力も国民民主に遠く及ばず、平成30年の政治資金収支報告書によると、国民の収入が約65億円に対して立憲は約36億円だ。そこで合流話を持ち込んだのだが、「党首会談は2回以上やらない」「立憲を存続政党として国民を吸収合併する」「党名は立憲民主党」などと高飛車な態度に出ていた。

 国民民主は20日、両院議員総会で19対28の議決を以て「現時点において合流を決定することが党の意思として否定」、継続協議を進めることで一致した。これに対して立憲は協議には応じないとの構えを崩さず、合流は見送られたのである。

 立憲などと共同会派を組んだことを「現時点の到達点」と玉木代表は語ったが、その方向性自体がまず間違っていないか。対決姿勢ばかり強い印象の立憲とは一線を画し、建設的な議論のできる政党として世論が評価する。その方向性こそが国民民主を成長させることになるに違いないのだが。