永田町ファイル
鈴木俊一幹事長
記者会見 11・4
経済対策
【幹事長】本日行われた役員連絡会の概要です。私からは、(以下の通りの報告です。)先月21日に臨時国会が開会し、首班指名において、高市総裁が内閣総理大臣に選出されました。これまでの皆様のご理解とご協力に改めて感謝申し上げます。
わが党は比較第一党として、安定した政治基盤の確立に向け、これまで基本的な政策が一致している各党・各会派との間で協議を行ってきました。そして、先月20日、日本維新の会との間で政権合意に至りました。
しかしながら、我々が少数与党であることに変わりはない。今後、各党・各会派と真摯に向き合い、時に柔軟に対応しながら、日本維新の会の皆さんとともに政策の着実な推進を図っていくことが重要だと考えています。
まずは政府・与党の緊密な連携の下、速やかに経済対策を取りまとめ、国民の期待に応えていきたいので、役員各位の引き続きのご協力をよろしくお願いします、と発言しました。
古屋選対委員長からは、11月9日(日)に投票日を迎える広島県知事選挙に関し、わが党推薦の横田みか候補に対する支援要請がありました。
小林政調会長からは、先週の金曜、日本維新の会との連立政権合意を受けて与党政策責任者会議を開催した。政策全般については、この与責で調整した上で、必要に応じて各協議体を設けていく。高校の授業料無償化について、先週、自・維・公の実務者協議で合意、与責においても確認した。また、ガソリンの暫定税率の6党協議も、実務者間で概ね合意したので、最後までしっかり取り組んでいく、とのご報告がありました。
【記者】内閣支持率についてお伺いします。報道各社の世論調査では高市内閣の支持率が高水準である一方、自民党の支持率は大きくは上向いていない状況にあります。この要因をどのように分析されていますか。また高い内閣支持率を背景に党内には早期の衆議院解散に打って出るべきだという声もありますが、幹事長のお考えをお聞かせください。
【幹事長】後段からお答えしますと、衆議院の解散については、総理の専権事項と今までも整理されています。幹事長の立場でのコメントは控えたい。
そして、内閣支持率は、おかげさまで大変高い水準でスタートすることが出来たと思っています。しかし、その高い内閣支持率に比して自民党の支持率がいまひとつではないかというご指摘でした。まあ、そうは言っても平均しますと4パーセントちょっとは各社の平均でも上がっているわけでして、そんなに低い伸び率ではないと思っています。我々としては、この厳しい環境、両院において過半数を割っているわけですが、その中で高市内閣をしっかりと支えていく。これだけ国民の皆さんの期待が高いわけですから、その高市政権の政策を自民党が中心になって、しっかり前に進めていく。そういう姿をお示しする中で、党としての支持率の向上にもつながっていけばいいなと思っています。
【記者】国民民主党との政策協議に関して伺います。幹事長は先日、国民民主の榛葉幹事長と会談されました。会談後に榛葉幹事長は自民、公明、国民、維新の4党の枠組みの実務者協議体で、年収の壁対策に加えて、物価高対策などの経済対策についても議論を進める考えを示されました。経済対策に関しては早期の協議が必要かと思いますが、自民党として年収の壁と物価高対策に関して、4党の協議体でどのような日程感で議論を進め、結論をまとめていくことを想定されているか、また、この協議体はどのようなメンバーで議論を進めていくのが適切とお考えでしょうか。
【幹事長】昨年末に自民党、公明党、国民民主党でガソリンの暫定税率の廃止、103万円の壁について協議を続行するという確認書が交わされています。この確認書は生きているわけでして、公党の約束としてわが党もしっかりと、それを守っていかなければならない。そういう中で、先般、公明党、維新の会の了解を得て、新たに与党になった維新の会も含め、今後、自維、公明党も継続して議論に加わることも約束してくれましたので、自維公国の新たな枠組みが出来たということ、これは過去の経緯からいっても大変よかったなと思っています。
ただ、今後、メンバーやスケジュールや議題等につきましては、103万円の壁ということが中心で、それはやりますが、まだ先週の金曜日に決まったわけですので、具体的なスケジュール感とか、何を協議するとか、協議するにあたっての実務者の顔ぶれとかは、これからということでご理解いただきたい。
【記者】政治とカネについてお伺いします。御党は岸田政権以降、公明党との連立合意文書の中で歳費法改正を盛り込んでこられました。選挙違反無効に伴い、当選無効となった国会議員に歳費返納を義務付ける内容ですが、先の臨時国会を含め、9度見送りとなり、その後、自公連立は解消しました。先の日本維新の会との連立合意文書には歳費法改正は盛り込まれていませんが、今後自民党として、この問題にどう取り組まれますか。また、今臨時国会で歳費法の問題にどう取り組まれていくのか、お聞かせください。
【幹事長】法律に触れた方、そして議員資格が無効になった方の歳費返納の問題、これはわが党としても実現しなければならないという思いに変わりありません。ただ、各党の合意が整わないとなりません。その前提として、それぞれの党会派のお考えもあると思います。そういうことも併せ、実現に向けて引き続き努力はしたい。今までできなかったのは、やはり時々の会期の関係でほかの法案が優先されることもあったのではないでしょうか。
記者会見 11・10
葛飾区議選
【記者】昨日投開票された東京都の葛飾区議選について伺います。この選挙では参政党の候補者がトップ当選を果たす一方、自民党候補が複数落選いたしましたが選挙結果の受け止めは。
【幹事長】選挙は色々あちこちで頻繁に行われるわけでありますし、それぞれの地域の選挙によっても違いますので、今ご指摘の区議会選挙の一例をもってして全体の流れといいますか、それを分析するというのは中々難しいと思います。やはり日頃の活動や確かな政策、そして有権者の皆様の思いをきちんと汲み取る日々の活動といった基本的なところをしっかりやることが重要なのではないかなと思っております。
首相は高支持率を活かせるか
記者コラム
「サナエ流ファッション」という言葉が出現したように、「高市ブーム」が起きている。首相が腕に抱える10万円超えのバッグが爆売れし、記者会見で使用していたピンク色のペンを若い女性が買い求めている。トランプ米大統領ら各国首脳と対面した外交ウィークを終えて各種マスコミが調査した高市首相への支持率は80%を超えた。これは、2001年以降の歴代政権発足直後の数字としては、小泉内閣の88%に次いで2番目に高い。石破内閣の52%とは比べ物にならない。
「それにもかかわらず、石破さんは解散総選挙に打って出て敗北し、衆院で少数与党に転落した。高市さんに『解散はいつか』と問う声が多いのは当然だ」と自民党幹部は語る。もし、解散して自民党が過半数を獲得すれば、衆院で少数与党から脱し、政権運営は今よりずっとやり易くなる。首相としては望むところだ。
鈴木幹事長は会見で、「解散については、総理の専権事項と今までも整理されています」とお決まりの返答。その上で、自民党の支持率が低いことを認めながらも「高市政権の政策を自民党が中心になって、しっかり前に進めていく。そういう姿をお示しする中で、党としての支持率の向上にもつながっていけばいい」と述べている。
高市首相も「解散を考えている暇はない」と語っているように、当面は、首相への高支持率を背景に政策実現の実績を積み上げ、そののちに解散に踏み切る考えだ。「そうなった時の選挙情勢は非常に明るいものとなる」(同)と見ていいだろう。



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