永田町ファイル
記者会見
立憲民主党 泉 健太代表
CLPへの資金供与 1・7
【代表】チューズ・ライフ・プロジェクト(CLP)に関してですが、私からも幹事長を中心に調査するように指示しています。調査中であって、コメントさせていただく内容は今ない状況です。事実関係の確認が終わり次第、幹事長から説明させていただきたいと思っています。
【記者】福山前幹事長も、CLP側も、支援、資金提供があったことは認めています。代表はどのような問題点等があるとお考えですか。また、本件について発覚前に既にご存じでしたか。また、現時点で把握している限りで、メディアや団体・個人に対する同様の支援をされている事実があるのか、把握している範囲で結構ですので伺いたい。
【代表】発覚前に知っていたかどうかというと、知らなかったです。少なくとも現執行部において、そういったことが行われていることはございません。
【記者】今、類似する団体の献金は確認されてないということですが、例えば令和2年の政治資金収支報告書、立憲民主党を見ると、「SEALDs」(シールズ)のメンバーでつくるブルージャパンに3億4591万8640円のお金が渡っています。作家の菅野完さんが代表を務めるコーポレーションにも752万3010円が行っています。ここらへんも調べた方がいいのではないかと思いますがいかがですか。
【代表】一度、立憲民主党が解散され、一昨年の9月に新たな政党として同じ名称の政党ができ上がりました。ここは会計を引き継いでいません。令和2年ということになると、私が所属しているのはこの新立憲民主党になるわけですが、幹事長からはそういったことについての調査の報告はまだ上がってきていません。
いろいろな制作会社、業者に対し党として番組をつくってほしいとか、コンテンツをつくってほしいとかは当然あり得る話だと思います。そのコンテンツ制作にお金が支払われるというのは、当然であると思います。お話のあったブルージャパンとかコーポレーションにおそらく発注したものというのは、何かしらのコンテンツをつくるためのものだったのではないかと考えています。
【記者】公的な金がブルージャパンを通じていっていると。これは返してもらうということだったのか、それとも差し上げたということですか。それと、非常に評判が悪かったこの第4控室のヒアリングのことで、菅野さんのところに金がいっていると。石垣(のりこ参院議員)さんのところにいっているわけですよね。そのスタッフと思われる人たちがずっと中継をやっていましたが、そういったことの収支決算とかはできていますか。
【代表】少なくとも、現時点で幹事長に調査をしていただいていますので、できる限り早期に幹事長から説明をさせていただくという中で考えていきたいと思います。
【記者】CLPについて、あまり耳にしたことのない事案だとおっしゃいました。一般論として、特定のメディアに対して番組制作など資金提供することについての是非、これは国民の理解を得られるかどうか、についてお考えを伺いたい。
【代表】このCLPが発足当初にどういう存在であったのか。公共メディア、あるいはメディア、それともメディアではないというとおかしいですが、例えばユーチューバーとかユーチューブチャンネルとかツイッターとか、いろいろな形態の発信者がいると思います。現時点では、私もCLPが「公共メディア」というふうになっていかれたということまでは認識しているのですが、それ以前、どういう形でスタートされたのかについては、まだ認識していない状況です。
【記者】国民の理解が得られるかどうかは。
【代表】前提が、それは一般メディアという理解でいいですか。例えば新聞社とかテレビ局とかに政党がお金を出すことについてどう思うかということだとすれば、基本は、そういった一般メディアに対して政党が資金を出すということは今まではなかったのではないかと思います。
【記者】これまで立憲民主党は、自民党、安倍政権とかの「政治と金」の問題について厳しく追及しましたが、ブーメランとなって刺さってきていると言われています。その追及以上に自分のところについてはさらけ出して「こういうことだ」と国民に示さないと国民の理解は得られないと思います。これは先ほどおっしゃった幹事長の調査のみで済ませられるのか。場合によっては第三者委員会みたいなところで調査も必要ではないかと思いますがいかがですか。
【代表】必要があればそういったことは考えていきたいと思います。
【記者】今回のCLPの問題は、「資金はもらっていたが黙っていた」ということに問題があると出演者の方々は主張されていると思います。一般論として、そういうふうに受け取っているにもかかわらず黙っていたということについて、代表としてはどうお考えですか。
【代表】党の側で言うと、資金の支出のところでいずれ出てくるというものですよね。ですから、黙っていたとか隠していたという認識が党の側にあったのか。いずれ会計文書としては出てくることを考えると、隠している意図はなかったのではないかと推察されます。少なくとも、会計に載せなかったとか、そういうことをやっていなかったということではない。
予算委員会に臨む 1・21
【代表】代表質問の中で総理に離婚家庭への10万円給付を伺った。
推計4万人として40億円となる。
クーポンで事務費が900億円かかるといわれていたものが、我々の追及、指摘によってこれが必要でなくなったわけだから、そういうお金を代わりに使っていくことも十分可能だ。
昨年末、党に調査会を8つ設けた。さらに、私が掲げてきた普通に安心が得られる社会とか、人にやさしい資本主義、こういうものをわれわれのビジョンとしてさらに深堀りしていく意味を込めて、党に持続可能な社会ビジョン創造委員会を発足させたいと思っている。
第1回目を1月28日に行う。
【記者】予算委員会にどう臨むのか。
【代表】国会の会期150日、その中で通常、100本近い提出法案が出る。その中で提出法案が50本台とかなり少ない。国会をどれほど議論の場として政府与党が考えているのか問われると思う。
国会閉会中に政府与党が様々なことを決めていく。これは国民の監視を経ずに行われてしまう可能性がある。
だから国会が開かれた時には、政府与党の考えを与野党の論戦を通じて、国民に広く知ってもらい結論を出していくというのがあるべき姿だろう。
解明されない党の資金疑惑
記者コラム
立憲民主党の西村智奈美幹事長が12日、同党から「特定のメディア」である「チューズ・ライフ・プロジェクト(CLP)」に約1500万円の資金提供をしていた問題について、「不適切だったが違法性なし」とし、当時の責任者だった福山哲郎前幹事長に対する処分はしないことを明らかにした。泉健太代表の指示で西村幹事長が聞き取り調査などを行った結果に基づき記者会見で語ったものだ。党としては第三者委員会を設置せずに、これで説明責任を果たしたとして幕引きする考えのようだ。
しかし、CLPは「公正中立なメディア」とされるが、番組の登場者は非常に偏っており決して「公正中立」とは言い難い。公共性が強く疑われるのに、それを隠して支援してきた。もっと注目したいのは、かつて国会前などで安全保障関連法の反対を訴えるなどした若者左派団体「SEALDs」(シールズ)のメンバーでつくるブルージャパンに3億4591万8640円が渡っていることや作家の菅野完さんが代表を務めるコーポレーションにも752万3010円がいっている、と指摘された件だ。
もっと多額の資金が流れていることも12日の会見で記者側から出たが、使い道についての疑惑を晴らそうとしない。西村幹事長は、個別の事業者とのやりとりについては取引内容にかかわることなので詳細に触れないとし闇に葬りたい考えのようだ。一方で、この問題に似た自民党の「Dappi」疑惑については追及を止めないという。ブーメランが突き刺さっていながら批判を続けても支持率アップにはつながるまい。