「ひょうたんなまず」

俳句・川柳2月号

「親孝行」「テーマ自由」

俳句

天の果て 父母の逝きし 国あるや
(東京都) 八木 久一郎

(墓の前にして祈るとき、そこに父母の遺骨はあっても、魂があるのか。そんな思いが天の国を想像させるのであろうか)

雪の声 するが如くに 山の古寺
(奈良市) 川崎 道幸

(雪の降りしきる山のぽつんと建つ古寺。そこから雪の声が聞こえて来るようだというのである)

口笛や 着物をまとい 初詣
(横浜市) 山田 辰信

(新調した着物を着て初詣をする若者の姿が華やかだ。ついほろ酔い気分で、口笛を吹きたくなったのだろう)

【佳作】

父の顔 皴ひとつずつ 増えにけり
(仙台市) 志賀 三郎

(その皴は親不孝の印だろうか)
冬空や 孤高の鳶の 旋回す
(神戸市) 立花 ゆかり

(寂しさを感じる風景である)
冬木立 町には遠き 旅の空
(札幌市) 砂川 彰

(人気のない荒野をゆく旅人がいる)
曇天や つららのごとき 山の峯
(青森市) 皆川 康夫

(鋭い峯の連山は厳しい人生のようだ)

川 柳

石橋が 割れて落ちる 自民党
(東京都) 総選挙

(そういえば、石破首相の名前にはそんな意味があるような、ないような、きっと気のせいだろう)

孝行を 説けば説くほど 親不幸
(横浜市) そんなもんだ

(自分がやれなかったこと、できなかったことを子にやらせようとするのが、親というものである)

水神仏に 手を合わせるや ホームレス
(東京都) 今年はよいことが

(ホームレスになって初めて、神仏の加護を願う。それは人としての当たりまえの姿だが、どこか悲しいサガでもある)

【佳作】

新春の 空に願うは 大当たり
(東京都) 罰当たり

(ギャンブルは止められない?)

トランプは ゲームのように 復活す
(宮崎市) 奇跡は二度ある

(トランプ圧勝は奇跡といっていい)

大谷の 笑顔まぶしい 世界一
(山形市) やったね!

(一刀流でもこの成績はすごい)

若者で シルバーシート 満席に
(東京都) 道徳忍者

(老人を大切にしなさいよ)

【応募要項】次号のお題「夢」

なたの俳句・川柳をお寄せ下さい。お題に添ったものでなくても結構です。自作未発表のものをはがき1枚に3句程度まで。住所・氏名(ペンネームの場合は本名も)・年齢・電話番号明記の上で、ご投句願います。投句は返却しません。二重投稿厳禁。天・地・人の句には薄謝ないし粗品を贈らせていただきます。締め切りは毎月末。

住所 〒101─0052 東京都千代田区神田小川町3─7─16 報道ビル6F 「新政界往来」ひょうたんなまず係まで。