月間事件簿

7月18日(金)
前川さんに再審無罪判決—39年前の福井中3殺害事件・名古屋高裁支 1986年に福井市で中学3年の女子生徒=当時(15)=を殺害したとして、殺人罪が確定し服役した前川彰司さん(60)の裁判をやり直す再審の判決が名古屋高裁金沢支部であった。増田啓祐裁判長は、有罪判断の根拠となった知人らの目撃証言について「捜査機関が不当に誘導した疑いがあり、信用できない」などとして無罪を言い渡した。

母子殺害無罪、元刑務官が敗訴—地裁 大阪市で2002年、義理の娘=当時(28)=とその長男=同(1)=を殺害したとして殺人罪などに問われ、17年に無罪が確定した元刑務官の男性(67)が国と大阪府に計約1億2400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が大阪地裁であり、三村憲吾裁判長は請求をいずれも棄却した。

順天堂と教授に賠償命令─内視鏡検査後に女性死亡・東京地裁 順天堂大付属順天堂医院(東京都文京区)で2021年、死亡のリスクを十分説明せずに胆管の内視鏡検査を実施し、女性=当時(72)=を死亡させたなどとして、遺族5人が学校法人順天堂と担当医の男性教授に計約2億2000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が東京地裁であった。一場康宏裁判長は「検査の危険性について説明を尽くす義務に違反した」として計約6300万円の支払いを命じた。

22日(火)
米粒大のイヤホン使用か、TOEIC不正—警視庁 中国人留学生が他人に成り済まし、英語能力試験「TOEIC」を受験していた事件で、カンニングをしようとしたと疑われる受験生が米粒大の骨伝導イヤホンを所持していたことが警視庁国際犯罪対策課への取材で分かった。

元副社長ら5人に有罪—SMBC日興相場操縦で東京地裁 SMBC日興証券の相場操縦事件で、金融商品取引法違反罪に問われた元副社長の佐藤俊弘(63)、元エクイティ部長の山田誠(48)両被告ら5人の判決が東京地裁であった。江口和伸裁判長は「株価の下落を防ぐ目的で売買を行ったことは明らか」と述べ、全員に有罪を言い渡した。

松本元死刑囚次男、「アレフ主導」と認定—公安庁 公安調査庁はオウム真理教の後継団体「Aleph(アレフ)」を巡り、教団元代表の松本智津夫(麻原彰晃)元死刑囚=2018年に刑執行=の次男(31)が「意思決定に関与して組織運営を主導している」と認定した、と明らかにした。

23日(水)
小島被告に懲役20年、「ルフィ」幹部に初判決・東京地裁 フィリピンを拠点とした「ルフィ」と名乗る指示役らによる広域強盗事件で、実行役らを集めたとして、強盗致傷ほう助や詐欺などの罪に問われた幹部小島智信被告(47)の裁判員裁判の判決が東京地裁であった。板津正道裁判長は「新しいタイプの重大犯罪で、抑止の観点からも厳しい処罰が必要」として懲役20年(求刑懲役23年)を言い渡した。

盗品運搬容疑でベトナム人の男逮捕—警視庁 盗品の電動自転車用バッテリーを運搬したとして、警視庁捜査3課は盗品等運搬容疑で、ベトナム国籍の住居不定、無職メ・ビン・クアン容疑者(26)を逮捕した。「何もしていません」と容疑を否認している。

25日(金)
トレカ窃盗容疑で男3人逮捕—警視庁 トレーディングカードの買い取り店と運営会社事務所に侵入し、カード15万枚超など(計約7000万円相当)を盗んだとして、警視庁捜査3課は窃盗などの容疑で、自称会社員の中埜良(49)=住居不詳、自称無職の山崎優樹(36)=東京都江東区東雲、同吉原裕太(41)=江東区北砂=各容疑者を逮捕した。いずれも容疑を否認している。

すし店従業員刺殺で出頭同僚逮捕─警視庁 東京・豊島区のすし店で、男性従業員が刺され死亡する事件があり、警視庁は「人を刺した」と出頭してきた同僚の男を殺人の疑いで逮捕した。

26日(土)
浜松ガールズバー刺殺で41歳再逮捕─静岡県警 浜松市のガールズバーで店長と従業員の20代女性2人が刃物で刺されて死亡した事件で、静岡県警浜松中央署は従業員を刺して失血死させたとして、同県袋井市、無職の山下市郎容疑者(41)を殺人や銃刀法違反などの容疑で再逮捕した。県警は認否を明らかにしていない。

京都JA会長、資金還流か─国税局指摘 JAグループ京都(京都市)の中川泰宏会長(73)と、中川氏の親族が経営する複数の会社が大阪国税局の税務調査を受け、2024年ごろまでの7年間で、計約8億円の申告漏れを指摘されたことが関係者への取材で判明した。うち約3億円が中川氏に対する指摘だった。国税当局は、主にJAグループ京都側が発注した工事を中川氏のファミリー企業が受注し、ファミリー企業から中川氏に資金が渡っていたと判断した。

訪問者が女性殺害─佐賀県伊万里市 佐賀県伊万里市の住宅で70代の母親と40歳の娘が訪問した外国人とみられる男に刃物で切りつけられ、娘が死亡した。

自宅で父親運転の車にはねられ1歳の娘死亡─香川・琴平町 香川県琴平町で1歳の娘が自宅で21歳の父親運転の車にはねられ死亡した。

27日(日)
ベトナム籍技能実習生逮捕─佐賀母娘死傷、強殺容疑 佐賀県伊万里市の民家で住人の日本語講師椋本舞子さん(40)と70代の母親が刃物のような物で切り付けられ死傷した事件で、県警は強盗殺人と住居侵入の疑いで、近くに住むベトナム国籍の技能実習生ダム・ズイ・カン容疑者(24)=同市東山代町長浜=を逮捕した。「何も話したくない」と供述しているという。

31日(木)
また邦人襲われる—中国・蘇州 中国江蘇省蘇州市内の地下鉄駅構内で日本人が何者かに石のようなもので殴られ、負傷した。在上海日本総領事館が明らかにした。この日本人は当時子供を連れており、負傷後に病院で手当てを受けたという。日中関係筋によれば、負傷したのは女性。地元公安当局は容疑者の身柄を確保したが、犯行の動機など詳細は不明だ。