アジア短信

10月26日(日)

国境紛争巡り和平合意締結—タイ・カンボジア 国境紛争を抱えるタイのアヌティン首相とカンボジアのフン・マネット首相はマレーシアの首都クアラルンプールで和平合意を締結した。調印式にはトランプ米大統領とマレーシアのアンワル首相が同席。トランプ氏は「軍事的対立を終わらせる歴史的な合意だ」と述べた。

28日(火)

ミャンマーで選挙戦始まる ミャンマーで上下両院選挙の選挙戦が始まった。国軍は、2021年のクーデター後初めての選挙実施を通じて「民政移管」を演出し、親軍政権の樹立による統治の正統化を目指しているとみられている。投票は12月28日から来年1月にかけて実施される予定。

29日(水)

パキスタンとタリバン、協議決裂 パキスタンとアフガニスタンのイスラム主義組織タリバン暫定政権による停戦協議が決裂した。パキスタンのタラル情報・放送相が明らかにした。停戦合意が保たれるか不透明で、衝突が再燃する恐れがある。

30日(木)

トランプ米大統領、韓国の原潜建造容認韓国を訪れたトランプ米大統領は韓国が原子力潜水艦を建造することを認めるとSNSへの投稿で明らかにした。29日の米韓首脳会談で、李在明大統領が原潜への燃料供給を許可するよう求めており、これに応じた形。トランプ氏は「われわれの軍事同盟はかつてなく強固だ」と強調した。

31日(金)

米製主力戦車の部隊結成—台湾 台湾の頼清徳総統は北部・新竹県の陸軍基地で米国製主力戦車M1A2エイブラムスによる新部隊の結成式を開いた。台湾有事の際、中国軍の上陸作戦に対抗するため購入を決めた108両の一部で、残りの車両も来年までに順次配備される見通し。

北朝鮮、「非核化はばかげた夢」と中韓首脳会談けん制 北朝鮮の朴明浩外務次官は談話を発表し、韓国大統領府が11月1日の中韓首脳会談で非核化を議論する方針を示したことについて、「非核化は実現不可能なばかげた夢だ」と反発した。

11月4日(火)

中国、ロシア原油購入継続へ ロシアのミシュスチン首相は中国の習近平国家主席と北京で会談し、エネルギー分野の協力推進で一致した。中国外務省が発表した。ロシアは原油を中国に輸出しウクライナ侵攻の資金源としており、トランプ米政権は取引停止に向けて対ロ制裁発動を発表したが、中ロは原油取引を継続する姿勢を示し結束を誇示した。

5日(水)

金永南氏の国葬営まれる─北朝鮮 北朝鮮3代の指導者の下で「外交の顔」を務め、3日に死去した金永南前最高人民会議常任委員長の国葬が5日、平壌で執り行われた。金正恩朝鮮労働党総書記ら党幹部や政府高官が参列した。

6日(木)

タワー倒壊で7人下敷き─韓国 韓国南東部蔚山の蔚山火力発電所で撤去作業中のタワー型ボイラー施設が倒壊する事故があった。地元消防は、巻き込まれた作業員7人が下敷きになったと明らかにした。韓国メディアによると、施設は高さ約60メートル。老朽化のため稼働を停止し、撤去作業が行われていた。

7日(金)

北朝鮮が短距離弾道ミサイル、日本海EEZ外落下 韓国軍は北朝鮮が北西部・平安北道大館周辺から日本海に向け、弾道ミサイル1発を発射したと発表した。短距離弾と推定している。日本の防衛省によると、日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したとみられる。

新型空母「福建」が就役—中国 中国国営新華社通信は中国軍で3隻目となる空母「福建」が就役したと報じた。空母を交代で展開する本格的な運用体制が整うことになり、日本など近隣諸国にとって脅威が増しそうだ。

台湾副総統が欧州議会で初演説 台湾の蕭美琴副総統は欧州連合(EU)欧州議会で演説を行い、台湾海峡での中国の武力による現状変更の試みに強く反対する立場を強調した。日米欧などの議員で構成される「対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)」が明らかにした。台湾高官が欧州議会で演説するのは初めて。

10日(月)

カンボジアとの和平合意を停止—タイ タイのアヌティン首相はカンボジアとの国境紛争を巡る和平合意の履行停止を指示した。兵士2人が国境地帯をパトロール中に地雷を踏み、負傷したことを受けた措置という。和平合意締結で和らいだ緊張が再び高まる可能性がある。

車爆発12人死亡—印首都 インドの首都ニューデリーにある世界文化遺産ラールキラー(赤い城)近くで車1台が爆発した。地元メディアによると、運転していた医師を含む少なくとも12人が死亡、約20人が負傷した。

12日(水)

中国軍制服組トップ「局地戦に勝つ」、台湾侵攻想定か 中国軍制服組トップの張又侠軍事委員会副主席は共産党機関紙・人民日報に寄稿し、「局地戦に勝利しなければならない」と全軍に呼び掛けた。台湾侵攻や南シナ海での紛争などを想定しているとみられる。

12日(水)

インド政府、ニューデリー爆発は「テロ事件」 インド政府は首都ニューデリーの世界遺産「レッド・フォート」近くで車が爆発した事件について「テロ事件」と断定した。捜査当局は、複数の医師が事件に関与した疑いがあるとみて、武装勢力との関係を調べる。

13日(木)

ソウル近郊市場にトラック突っ込み2人死亡─韓国 韓国・ソウル近郊でトラックが市場に突っ込む事故があり、70代の女性2人が死亡したほか18人が重軽傷を負った。

14日(金)

防衛費をGDP比3・5%に─韓国 米韓両政府は慶州で10月29日に行われたトランプ大統領と李在明大統領の首脳会談の合意内容をまとめた共同文書を発表した。韓国が早期に防衛費を国内総生産(GDP)比3・5%に引き上げると表明し、米国はこれを歓迎した。