戦車による戦争は古い
新型兵器ドローンの力

ロシア軍のウクライナ侵略戦争で、ロシア軍の足を止めたのはドローンの活躍があったからだ。

孫子の兵法の1つに、戦争では丘を取れというのがある。古代の戦争でも、丘に立てば敵味方の大局が分かり、戦略を立てやすい。近代でも大砲を撃つ時、地勢的に有利だった。 

だが現在はドローンを飛ばせば、どこにでも丘ができてしまう。

それが戦場で無数、飛んでいる。どこに軍隊を集結させようと、ドローンのカメラの前には丸裸だ。

そこに照準を合わせ、どんどん撃てる。あとは砲が高性能であり、砲弾の飛距離が長距離であればいいだけだ。

これが今、やっている戦闘の基本的な在り方だ。

ところがロシア軍というのは、戦車を連ねた大戦車戦をやろうとした。

つまり発想や作戦の立て方とか、システムとしての戦争という点でロシア軍は前時代的でしかなかった。

ロシア軍はクリミアの時には、一部優れた点もあったけど、その経験が生きていないし徹底していない。システムとして新しいイノベーションを取り込めていなかった。

一方、これまでロシアが戦った戦争というのは、シリアであったり、チェチェン、クリミアだったり、相手側の主な武器もロシア製だった。結局、ロシアは外国と戦ったといっても、自国製の武器で装備している軍隊と戦っただけだ。そういう戦いしか、してこなかった。つまりロシアは、国際戦争を戦ったことがない。

これから本格的な戦いになってくると、ウクライナが使いこなしているかどうかは別として、米国製や西側の武器を相手にしなければならないので、局面は変わってくる可能性がある。