往来トピックス
米NY州
幼稚園の先生が元園児に肝臓提供
「無私の奉仕精神」、全米で話題
幼稚園の先生が、臓器移植が必要な元園児に自分の肝臓を提供することを申し出た。この「無私の奉仕精神」が全米で話題になり感動の輪が広がっている。
この元園児は生後半年で養子にもらわれた米ニューヨーク州オールデンに住むエズラ・トチェクちゃん。出産時に肝臓に損傷を負っており、年初に末期の肝臓病と診断され、早期移植しなければ命が危うい状態となっていた。
ただエズラちゃんは養子ということもあって、家族の肝臓は適合しなかった。
幼稚園でエズラちゃんの担任をしたカリッサ・フィッシャーさんは今春、この事実を知り「何とかしなければ」との一念で、エズラちゃんの家族には内緒のまま、検査を受けた。すると「念ずれば通ずる」との言葉通り、結果はなんと「適合」とのことだった。
肝臓の提供に意を決したカリッサさんは、エズラちゃんの家を訪ねチャイムを押した。
そしてエズラのお母さんに、「先生の肝臓を分かち合いませんか? イエスかノーにチェックして」と書かれたチェックシートを見せた。
これを見たカレンさんは、その時の気持ちをフェイスブックにこう投稿している。
「これを見て私の〝脳〟は止まりました。カリッサさんが声に出して読んでくれてようやく事態が理解できました」
「どう感謝を表したらいいのか分かりません! ただただ涙があふれ出ました」
長引く不況下のイランでは臓器売買が後を絶たず、死刑囚や法輪功の若い囚人の臓器が不正に移植されているとされる中国など世界では目を覆いたくなるような酷な現実がある中、「愛と犠牲」精神に裏打ちされたキリスト教的な救済には心が洗われる。
米コロラド州
首元に発砲されるも「九死に一生」
金属製ネックレスでかすり傷1つ
被弾しながらかすり傷1つで生き残った幸運を手にした男がいた。
即死して天国直行のはずが、地上に再び舞い戻ってきたこの発砲事件が話題になっている。
事件は米コロラド州で起きた。
同州デンバー郊外のコマースシティーで5月下旬の夜、2人の男が口論になり、激高した一方が片手に持った22口径の拳銃を発砲、弾は口論相手の首元に命中した。被害者はばったりと倒れ、撃った男はその場で逮捕された。
ただ被害者は倒れはしたが、銃弾は貫通しなかった。それどころか銃弾は、首元ではじき返され被害者はかすり傷1つで生き残った。銃弾は被害者が身に着けていた金属製のネックレスに当たり、それがガードしてくれたのだ。
コマースシティー警察はフェイスブックに、被弾して変形した血痕付きのネックレスの写真を投稿した。
撃った犯人は、リチャード・ヒルマンという名前の男性で殺人未遂の罪で起訴された。
金属製ネックレスの詳細は分からないものの、コマースシティー警察のフェイスブックには「純銀だったら銃弾を止められなかったでしょう。模造品を購入する時には、熟慮したほうがいいかもしれない」とジョーク交じりに書いてある。そして「とにかく信じがたい」と総括している。
記事にはこんなコメントも添付されていた。
「被害者は今、ついているんだよ。宝くじを買うべきだ」
ただ、運は長続きするものではない。調子に乗って無駄なお金を使うより、命拾いした幸運に感謝して世のため、人のために自分ができる範囲で恩返しすればもっと大きな幸運が舞い込むだろう。
交番を通りかかった医師
心肺停止状態の女児救う
今春、神奈川県のJR鎌倉駅前交番に心肺停止状態の女児(8)が運び込まれた。たまたま通りかかった小児科医の高原麻里子さん(44)が交番に設置されているAED(自動体外式除細動器)で救命処置で息を吹き返した。女児は救急車で病院に運ばれ、命をつなぐことができた。
女児は心臓に疾患があって、突然倒れたという。あわてた両親が近くの交番に運び込み、父親が人工呼吸を行い、母親は救急車を呼ぼうとしていた。交番にいた警察官は勝手が分からず、浮足立っていた。
女医は目を見開いたままぐったりとしている女児を見て即座に「心停止状態だ」と判断した。
そして、交番の赤いAEDが目に入り「AED貸して!」と叫んだ。
女医はAEDのパットを女児に貼りスイッチを押した。すると女児は一回の電気ショックで蘇生し、大泣きした。
両親は大泣きするわが子を見ながら、「地獄に仏」に出会ったようなわが子の蘇生に喜びの涙を流した。
女児はすぐやってきた救急車に搬送され、病院に入院したが命に別状はなかった。
鎌倉署は後日、女医の迅速かつ的確な措置に感謝状を贈った。
女医は「救命処置は初めてのことだったのでホッとした。医師になって良かった」とコメントした。
AEDは心肺停止の患者に電気ショックを与え、正常な動きに戻す。その電気ショックが1分遅れるごとに救命率は10%低下するとされる。
救急車が到着するまでの時間は全国平均で10分弱。今回の事例でも、たまたま通りかかった女医がAEDで救命措置を施さなかったら、救命率は統計上ほぼ0%だった。
なお心臓が原因で心肺停止した人に対し、現場に居合わせた人がAEDを使用した割合は約4%でしかない。
米宝くじ「パワーボール」
史上4番目の額約2170億円
このほど米国の「パワーボール」でジャックポット(大当たり)が1枚出た。
賞金額は米宝くじ史上歴代4番目の13億2600万㌦(約2170億円)。しばらく「パワーボール」で当選者が出ないまま賞金が積みあがっていた。
この高額賞金をゲットしたのは、米オレゴン州のポートランドに住むチェン・サエファンさん(46)と妻のドゥアンペンさん(37)、それに夫妻の友人ライザ・チャオさん(55)。
航空機メーカーのエンジニアだったチェンさんはラオス出身で、30年前に米国に移住した。だが8年前にがんと診断され、長くつらい化学療法を続けてきた。
チェンさんの苦痛の種は、がんによる肉体の痛みより、一家の大黒柱が病に倒れて後ろ盾を失った2人の幼少の子供のことだった。高額な治療費もチェンさんの家の家計を直撃していた。この状況をなんとか打開できないものかと、チェンさんはわらをもすがる思いで宝くじを買い続けたのだ。
それでもチェンさんの家計はひっ迫している。これを見かねた友人のライザさんは、自分の財布から宝くじ代の半分となる100㌦を抜き取りチェンさんに渡した。
それで賞金の受け取りは、チェンさん夫妻とライザさんの3人になった。賞金は一括支払いと年金型支払いの2つがあるものの、3人は迷うことなく4億2230万㌦(約650億円)一括支払いの方を選び、チェンさん夫妻とライザさんで2分するという。一括支払いの場合、州税・連邦税を差し引いた額が引き渡される。
なおこれまでの「パワーボール」最高額は、2年前の20億4000万㌦(約3300億円)。
パワーボールは6つの数字を選択するもので、大当たりの確率は2億9220万分の1。日本の年末ジャンボ宝くじの一等当選確率は2000万分の1。パワーボールはアメリカ全国民に1人という奇跡的な幸運だ。
今回、見事大当たりくじを引き当てたチェンさんは、おそらく当選時の歓喜で大量のアドレナリンが放出されたと想定される。そのアドレナリンでがんの方も好転しなかったかどうか、そちらも気にかかる。