「ひょうたんなまず」

俳句・川柳10月号

今月のお題「神社仏閣」「テーマ自由」

俳句

天

蒼天や 神々たちの 旅はるか
（奈良市） 大神 新吉
（これは流れ雲を神々の旅路と捉えたのであろうか。青空を悠々と動いてゆく雲は、それだけで心が洗われる思いがする）

地

神さびし 深山渓谷 静かなり
（鶴岡市） 洲本 敏行
（山奥を散策すると、森の木々が放つ神気に満ちた香りが鼻孔を刺激し、肺が清浄になって魂が浄化される気がする）

人

さるすべり 大都会の空に 何思ふ
（東京都） 国山 武彦
（新宿の繁華街の通りにさるすべりの街路樹があるが、桃色の花が少しばかり違和感を感じさせる。そんな風景を詠んだものか）

【佳作】

豪雨から 豪雨へと続く 夏の乱
（鹿児島市） 町田 晃司
（今年の夏は猛暑豪雨と異変が続いた）
秋の海 いつしか友の 声も消ゆ
（札幌市） 弓田 仁造
（今年の夏は猛暑豪雨と異変が続いた）
黒蝶の ぴたりとはりつく 土塀かな
　（高知市） 行徳 早智子
（蝶々もよく知っている？）
仏閣を 訪ねる夫婦 日本晴れ
　（金沢市） 加光 卓
（神々の加護があるでしょう）

川柳

天

ロケットの 飛び交う海に 波立ちぬ
（新潟市） 漁師
（北朝鮮のミサイル実験が終わらない。日韓関係も最悪。はたして安寧に漁ができるのか。心配はもっともである）

地

神さまも 夫婦喧嘩に そっぽ向く
（東京都） 神社仏閣巡礼
（神社仏閣で何を祈るかといえば、家内安全、繁栄。しかし、その夫婦がけんかばかりでは神さまも、どうしようもないではないか）

人

ついていけない スマホの進化 部下に聞く
（東京都） ガラケーが恋しい課長
（スマホは便利っちゃあ便利。評者も使っておるが、機能で使っているのはごく一部。なので、この課長さんのように部下がいれば聞きたいよ）

【佳作】

コスプレの アニメのタイトル なんだっけ
　（名古屋市） 思い出せない
（マニアックなファンじゃないので）
巫女さんの 楚々としたる 化け具合
　（京都市） アルバイトさん
（馬子にも衣装ですなあ）
ちょっと怖い 姉さん女房の 笑い顔
（東京都） 後ろめたい夫
（なんでわかってしまうのか謎）
老青年 18切符で 夏休み
（武蔵野市） 気だけは若い
（朝早く列車を待つ老青年たち若いねえ）

【応募要項】来月のお題「落葉」

　あなたの俳句・川柳をお寄せ下さい。お題に添ったものでなくても結構です。自作未発表のものをはがき１枚に３句程度まで。住所・氏名（ペンネームの場合は本名も）・年齢・電話番号明記の上で、ご投句願います。投句は返却しません。二重投稿厳禁。天・地・人の句には薄謝ないし粗品を贈らせていただきます。締め切りは毎月末。

住所　〒１０１─００５２　東京都千代田区神田小川町３─７─16　報道ビル６Ｆ　「新政界往来」ひようたんなまず係まで。