記者会見 10・29

永田町ファイル

国民民主党 玉木雄一郎代表
特措法改正

【代表】203国会が開会し、菅総理の所信表明演説に対する代表質問が行われました。今国会では残念ながら国民民主党からの衆議院での代表質問はないわけですが、独立した会派となりましたので圧倒的な当事者意識を持って、具体的な政策の提案と実現につなげていく国会にしていきたい。

 昨日、橋本聖子大臣から選択的夫婦別姓についての答弁がありましたが、前向きで非常に良かったと思います。先日、大臣室を訪ねて選択的夫婦別姓を是非進めてもらいたいとお願いしました。その際、「いまアンケートをとっていて若い人からやってほしいという声が多い」ということを紹介するなど橋本大臣らしい答弁をしてほしいと話しました。菅総理とは違う少し前向きな答弁だったのはよかったです。

 雇用経済状況が非常に心配です。米国でも大規模な追加経済対策を行うことが与野党で協議されています。わが党も来月中には追加経済対策をまとめて発表し、政府に働き掛けて行きたい。大切なことは財政出動の息切れを起こさないことです。コロナでの後遺症が懸念されていますが、少し感染拡大が収まったからといって経済の手を緩めてしまうと経済の後遺症が生じてしまう可能性があります。積極的な財政出動によって国民生活を下支えしていく。少なくとも40、50兆円の経済対策が必要ではないか。追加の現金給付も含めてです。

【記者】特措法改正について、どう改正して提出したいと考えていますか。

【代表】まずは自粛だけに頼っているような今の法体系でいいのか。お願いベースでなく、ある程度、行政命令、事業者に対する休業規制といったがものが法律を根拠にできないか。併せて法的根拠に基づく休業補償も必要になると思います。そして、検査体制が充実して来れば、地域、業種を限定した休業規制ができると思いますので、地域限定で緊急事態宣言を出せるようにする。こういったことも含めて検討していきたい。

【記者】ほかの党に呼び掛けて提出していこうという考えはありますか。

【代表】昨日、立憲民主党の泉政調会長も特措法の改正について言及されたと認識しています。協力していただける野党には積極的に呼び掛けていきたいと思います。実は3月ぐらいから検討の原案はできています。それを改めて精査する。北風政策と太陽政策をともに強めて実効性を担保していく。全く認知していない感染症もあり得るので、それに備えるのが国会の大事な役割だと思います。

【記者】代表選をオンラインで可能にするということで、それは画期的だと思いますが、一方で投票のなりすましなどのセキュリティーはどうやっていきますか。

【代表】いま運用のできる2社と事務方と詰めています。当然、それらの問題についてはクリアしなければいけない。これから国政投票についても電子投票、スマホ投票を導入するのであればそういったことをクリアしなければならない。公党として知見をためて、場合によっては、国に対してもこういうことに気を付けなければいけないといった、提案にもつなげていきたい。

【記者】外国籍の人の代表選への参加はどうですか。

【代表】いまの紙ベースによって党員、サポーターになっていただく場合にも外国籍ではないということを自己申告ですがチェックボックスを設けて確認しています。だまそうと思ってやったらなかなか排除できません。ただ、基本的にはお金を払っていただいて自己申告で確認しています。

入党確認は共産を見習ったら?

記者コラム

 国民民主党が新たにスタートし、国政選挙や他党内の選挙に先駆けて自党の代表選でオンライン投票を導入する方針を示すなど新鮮味をアピールしている。ただ、やはり問題となるのが本人確認と入党確認の不徹底だ。

 会見で記者から外国籍の人の代表選への参加を問われた玉木雄一郎代表は「日本国籍の人に限る」と返答しつつも「だまそうと思ってやったら排除できません」とし、自己申告に頼るしかないと述べた。しかも今登録さえすれば12月18日か19日に行われる代表選に投票できるというのである。「確認中」とは言うものの他人のなりすましのチェックにも言及できなかった。極めて甘い〝性善説〟政党だと言えよう。

 「その点、日本共産党の入党のチェックはしっかりしている」と野党関係者は指摘する。入党希望者は、党員2名の推薦を受け入党費を収める。入党手続きは支部で個別に審議をした上で上部機関の地区委員会の承認を受けなければならない。そこにたどり着く前に、しっかりと人物調査を受けることになる。

 今回の国民民主党のようにネットで申し込み、顔も知らずに自己申告で日本国籍の欄にチェックを入れさえすれば代表選挙の投票権を得られるのと大きな違いだ。「革命政党だから当たり前だろうが、入党時の確認はいっそのこと共産党を見習ってもう少し厳しくした方がいいのでは」とも同関係者は語った。