世界長者番付で初首位27兆円
イーロン・マスク氏の男ぶり
フォーブスは4月、最新の「世界長者番付」を発表。ランキング1位は、米電気自動車(EV)テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)だった。
マスク氏の総資産は推定2190億ドル(約27兆円)。昨年まで4年連続の首位をキープしてきたアマゾン・ドット・コムの創業者、ジェフ・ベゾス氏は1710億ドルで2位だった。
マスク氏とベゾス氏に次いで3位につけたのは、昨年と同じLVMHの取締役会長兼CEO、ベルナール・アルノー氏だった。4位はビル・ゲイツ氏、5位は昨年トップ5から外れていたウォーレン・バフェットとなっている。
なおマスク氏の男ぶりを上げているのは、豊かな懐具合だけではない。
ロシア軍の侵攻を受けたウクライナを助けている姿は、マスク氏の株を上げた。
ロシア軍は侵攻と同時に、通信施設や電波アンテナなどを砲撃やミサイルなどで攻撃し、ウクライナ軍や政府の通信機能をマヒさせた。
機能不全に陥ることを懸念したウクライナ政府は、マスク氏が運営する宇宙企業スペースX社のスターリンクによる早急なネットアクセス機能の回復を求めた。
スターリンクとはスペースX社が開発を進めるインターネットアクセス衛星で、1600を超える小型衛星と地上の専用送受信機とをつなぎ、ネットが使用できる仕組みだ。
その要請があった10時間後、今度はイーロン・マスク氏がツイッターで返信した。「スターリンクサービスはウクライナで利用可能になった。さらに送受信機を輸送中」。
ウクライナのゼレンスキー大統領は当初、ロシア軍から「亡命した」とのフェイクニュースを流された時、首都キーウの大統領府前から「私はここにいる」とSNS発信して反撃を始めたことは記憶に新しい。そうした通信が可能になったのも、マスク氏の早期の決断があったからだ。