中露同盟化は西側の悪夢

消耗戦ロシアの対中傾斜

中露貿易は近年、年間往復1000億ドルを超えるようになった。
ロシアからの石油・天然ガスのパイプラインも稼働して相互依存経済が深まりつつある。
今年2月、冬季オリンピックで北京を訪問したプーチン大統領は習近平国家主席と会談し、「上限無き協力関係」を強調した。プーチン、習近平両氏は「親友」と呼び合い、「中露関係は史上最良」と豪語する。
ニクソン米大統領の北京訪問から今年で半世紀となった。ニクソン大統領が狙ったのは、主要敵ソ連を倒すために、中国をソ連から切り離すことだった。
それが半世紀を経て、中露が先祖返りしようとしている。
無論、中露の相互不信感は根強いものがあり、同盟に至るまでには険しい道があろうが、自由と民主を共通理念とする西側諸国にとって阻止すべきは、この中露同盟だ。
ウクライナの善戦でロシアは体力を消耗し、中国依存が深まることが懸念される。核大国ロシアと軍事大国中国の同盟化は、西側諸国にとっての悪夢だ。