海外通信

8月18日(金)
ウクライナ侵攻、両軍の死傷者50万人 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は昨年2月のロシアのウクライナ侵攻開始以降、両軍の死傷者が50万人に迫っていると報じた。米当局の推計に基づくもので、ロシア側の死傷者の方が多いものの、双方に大きな損失が出ていると分析した。

20日(日)
ロシア探査機、月面墜落 ロシア国営宇宙企業ロスコスモスは無人月探査機「ルナ25」が月面に墜落したとみられると発表した。既に月周回軌道に到達しており、順調なら21日に月の南極付近に着陸する予定だったが、19日に通信が途絶えたという。

グアテマラ大統領選、アレバロ氏が当選 中米グアテマラでジャマティ大統領の任期満了に伴う大統領選挙の決選投票が行われ、故アレバロ元大統領の息子で中道左派の「セミージャ運動」から出馬しているベルナルド・アレバロ元外務次官(64)が当選した。任期は4年で再選は禁止されている。

21日(月)
トマホーク購入を決定─豪政府 オーストラリア政府は巡航ミサイル「トマホーク」200発以上を米国から購入することを決定した。価格は約13億豪ドル(約1200億円)。台湾海峡や南シナ海で軍事活動を活発化させる中国を念頭に、抑止力強化を図る。

24日(木)
プリゴジン氏ら遺体収容 ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者エブゲニー・プリゴジン氏(62)ら10人が搭乗していた自家用ジェット機墜落で、モスクワ北西のトベリ州の現場から遺体が収容された。プーチン大統領は同日、プリゴジン氏ら全員の死亡を認め、遺族に哀悼の意を表明した。

30日(水)
ガボンでクーデター アフリカ中西部の産油国ガボンで軍の一部がクーデターを決行し、ボンゴ大統領を自宅軟禁にしたと発表した。テレビを通じ、26日が投票日だった大統領選の無効と自らの権限掌握、国境封鎖と政府機関解体を宣言した。AFP通信などが伝えた。半世紀続いたボンゴ父子の独裁体制が崩壊したことになる。

9月1日(金)
ロシアが新型ICBM実戦配備 ロシア国営宇宙企業ロスコスモスのボリソフ社長は新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「サルマト」が実戦配備されたと明らかにした。インタファクス通信が伝えた。ロシアはウクライナ侵攻を続ける中、ゼレンスキー政権を支援する西側諸国に対して核の威嚇を強めることになる。

8月の米雇用、18万7000人増―失業率3・8%に上昇 米労働省が発表した8月の雇用統計(季節調整済み)によると、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数は前月から18万7000人増加した。伸びは前月の15万7000人から加速。市場予想(17万人増)も上回り、雇用情勢の堅調さが示された。

電動キックボード廃止―パリ フランス・パリのシェアリングサービスの電動キックボードが廃止となった。自家用車に乗らず、地下鉄も利用しない代替輸送手段の一つが消えた。

3日(日)
ロシア初の「対日戦勝記念日」 ロシア極東は第2次大戦末期に対日参戦した旧ソ連の戦勝記念日を迎えた。サハリン(樺太)の州都ユジノサハリンスク(豊原)ではパレードや献花が行われ、メドベージェフ前大統領(安全保障会議副議長)らが参加。北方領土が「ロシアに不法占拠されている」と訴える日本をけん制した。

レズニコフ国防相を解任─ウクライナ大統領 ウクライナのゼレンスキー大統領は、国民向けの動画メッセージで、レズニコフ国防相の解任を決めたと明らかにした。後任には、ロシアに併合された南部クリミア半島の先住民族タタール系の政治家ルステム・ウメロフ氏(41)を充て、最高会議(議会)の承認を求める。

4日(月)
露朝首脳、今月会談と報道 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が今月、ロシア極東ウラジオストクを訪れ、プーチン大統領と会談する計画だと報じた。ウクライナに侵攻するロシアへの武器供与や、北朝鮮が求める人工衛星関連の技術提供などについて協議するとみられる。

中伊外相、関係維持を強調 中国の王毅共産党政治局員兼外相は北京を訪れたイタリアのタヤーニ外相と会談した。イタリアが中国主導の巨大経済圏構想「一帯一路」からの離脱を検討する中、王氏は「相互信頼と対等な対話の堅持」を強調。イタリアの引き留めは困難な情勢だが、両国とも経済面などでのつながりを維持したい思惑で一致しており、穏健な形での離脱を模索しているもようだ。

8日(金)
ウクライナ大統領 停戦交渉に否定的 ウクライナのゼレンスキー大統領は米CNNテレビのインタビューで、「誰かと妥協や対話をしたくても、うそつきとは不可能だ」と述べ、ロシアのプーチン大統領との現時点での停戦交渉に否定的な考えを示した。その理由として、ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏が墜落死したことを挙げた。

9日(土)
G20首脳宣言採択、ウクライナ侵攻「武力行使に反対」 20カ国・地域首脳会議(G20サミット)がインドの首都ニューデリーで2日間の日程で開幕し、10日の最終日を待たず首脳宣言を採択した。ロシアによるウクライナ侵攻について、宣言は「あらゆる国家は領土獲得のための武力行使を控えなければならない」との文言を盛り込んだ。

10日(日)
G20首脳宣言採択、ロシア非難抑える インドの首都ニューデリーで9、10の両日、20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が開かれた。ロシアのウクライナ侵攻を巡る参加国の対立で、首脳宣言発出は困難との見方もあったが、ロシア非難を抑えた表現で決裂を回避。初日の採択にこぎ着けた。アフリカ連合(AU)のG20正式加入も決まった。

11日(月)
中国のスパイ疑惑浮上、英議会調査員ら2人逮捕 英議会の調査員ら男2人が中国のためにスパイとして活動していた疑いがあることが分かり、深刻な外交問題に発展している。スナク英首相は下院で声明を出し、民主主義に対する中国の干渉を「受け入れられない」と強い調子で非難した。

米アルメニアが合同軍事演習 南カフカス地方唯一の親ロシア国家だったアルメニアは、首都エレバン郊外で、米国との合同軍事演習「イーグルパートナー2023」を開始した。AFP通信が伝えた。パシニャン政権は、係争地ナゴルノカラバフを巡るアゼルバイジャンとの紛争で、ロシアの支援を得られないことに不満を募らせていた。ロシアは反発している。

ロシア軍が貨物船狙いミサイル攻撃か―英分析 英政府は入手した情報の分析結果として、ロシア軍が8月24日にウクライナ南部オデッサに対して行ったミサイル攻撃で、民間の貨物船を標的にしていたと発表した。船舶を狙ったミサイルはウクライナ軍が迎撃し、被弾は免れたというが、今後も危険な状況が続きそうだ。

コカイン生産が過去最高に―コロンビア 国連薬物犯罪事務所(UNODC)は昨年度の南米コロンビアにおけるコカの葉の作付面積が、過去最高を記録したと発表した。コカの葉は麻薬コカインの原料で、コロンビアは世界最大のコカイン輸出国。UNODCによると、コロンビアでは昨年、前年から13%増加して23万ヘクタールの土地にコカの木が植え付けられた。東京都の全面積(約21万9000ヘクタール)に相当する。計算上は、過去最高の1700㌧を超えるコカインの生産が可能になるという。

12日(火)
盗難のゴッホ作品発見―オランダ オランダ紙テレグラフ(電子版)は同国中部ラーレンの美術館から盗まれたゴッホ作品が約3年半ぶりに見つかったと報じた。事件後に窃盗犯は逮捕されたが、絵画の所在は不明だった。

ハワイ山火事「兵器が原因」―中国が偽情報か 少なくとも115人が死亡した米ハワイ州マウイ島の山火事を巡り、米国が開発する「気象兵器」が原因だとの偽情報発信に中国政府が関与した疑いがあることが分かった。米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が報じた。情報の信頼性を高めるため、生成AI(人工知能)で作成したとみられる画像も投稿したという。

地下1千メートル超から9日ぶり救出―トルコ トルコ南部メルシン県の山間部で縦穴と横穴が入り組む深さ1000メートル以上の洞窟内で身動きが取れなくなっていた米国人探検家マーク・ディッキーさん(40)が約9日ぶりに救助された。命に別条はないという。

米下院議長、バイデン氏の弾劾調査指示 米共和党のマッカーシー下院議長はバイデン大統領が息子ハンター氏のビジネスに不正に関わっていた疑いなどをめぐり、弾劾に向けた調査を開始すると発表した。疑惑について、下院監視・説明責任委員会と司法委員会、歳入委員会に調査を指示した。

不法移民、1日で5100人上陸―伊最南端島 北アフリカから海路で欧州を目指す不法移民らの上陸地として知られるイタリア最南端ランペドゥーザ島に密航船110隻で計5100人余りが到着した。1日の人数としては過去最多。

13日(水)
イラン、米国人解放で合意 米イラン両政府が、イランで拘束されている米国人5人の解放で合意したことが明らかになった。米政府は見返りに、イランの一部資金の凍結を解除するほか、米国内で拘束中のイラン人5人を釈放する。米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官が記者会見で公表した。

共和ロムニー議員、引退表明―米 2012年米大統領選の共和党指名候補だったロムニー上院議員(76)はX(旧ツイッター)に投稿したビデオ声明で「再選出馬しない」と述べ、25年1月までの任期限りで引退する意向を表明した。「次の任期を満了すれば私は80代半ばになる。次世代の指導者が必要な時だ」と説明した。

韓国にF35戦闘機売却―米 米政府は韓国に対する最新鋭ステルス戦闘機F35の売却を承認し、議会に通知したと発表した。最大25機で、売却総額は約50億6000万ドル(約7400億円)に上る。

14日(木)
露朝首脳、対米で連携誇示 朝鮮中央通信は北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記がロシアのプーチン大統領の訪朝を要請し、プーチン氏が受け入れたと報じた。ロシア側も確認した。両氏は13日、ロシア極東アムール州のボストーチヌイ宇宙基地で会談した。「帝国主義者たちの軍事的な脅威や挑発」に対抗する連帯について「満足な合意」を得たと朝鮮中央通信は報道。「共通の敵」米国など西側諸国に対し、露朝の結束を誇示した。

台湾国民党・侯氏、米国へ出発 来年1月の台湾総統選に出馬する最大野党・国民党の侯友宜・新北市長が米国へ出発した。ニューヨークやワシントンなど4都市を訪問し、米上下両院議員や有識者らと会談する予定。自らの対中政策などを説明して理解を求め、選挙への弾みにしたい考えだ。

この夏、史上最も暑かった―米NASA 米航空宇宙局(NASA)は今年6~8月の地球の気温は、記録の残っている1880年以降で最も暑かったと発表した。1951~80年の同期間の平均気温よりもセ氏1・2度高く、これまでの最高気温も0・23度上回ったという。

カナダ、最短で来年IPEF加入 バイデン米政権が提唱した新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の交渉に参加する日米など14カ国は、最短で2024年中にカナダの加入を受け入れる方針を固めた。経済安全保障の観点から有事に域内のサプライチェーン(供給網)が途絶するリスクに備える。先進7カ国(G7)の一員で、資源国のカナダの参加は、IPEFの実効性を高める。

16日(土)
ベテラン核査察官を拒否―イラン 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長はイランの核開発を検査してきた複数のベテラン査察官について、同国政府が受け入れを一方的に停止したと発表した。監視業務が一段と制限されることは避けられない。米欧諸国がイランの協力姿勢の欠如を非難したことへの報復とみられる。