アジア短信

2月18日(日)
タクシン元首相、仮釈放 昨年8月にタイに帰国後、公権力乱用罪などで実刑判決を受けたタクシン元首相が仮釈放。短期間で自由の身となったことには「特別扱い」と批判も。

22日(木)
北朝鮮対応で緊密連携─日米韓3カ国が外相会談 日米韓3カ国の外相は問先のブラジル・リオデジャネイロで約1時間、会談した。核・ミサイル開発を進める北朝鮮に対し、日米韓の安全保障協力を含む抑止力・対処力を強化し、緊密に連携することを確認。東・南シナ海で覇権主義的な動きを強める中国の動向についても意見を交わした。

25日(日)
中国海警船が編隊巡視、金門島周辺で─台湾 中国海警局は台湾が実効支配する金門島の周辺海域で同日に艦艇が編隊を組んで巡視活動を行ったと発表した。中国軍で対台湾作戦を担う東部戦区も艦艇の訓練画像を公表しており、中国が「台湾独立派」と敵視する台湾の民進党政権を威嚇する狙いがあるとみられる。

26日(月)
ツバル新首相にテオ氏─台湾との関係揺らぐ 南太平洋の島国ツバルの国会は、新首相に法律家出身のフェレティ・テオ氏を全会一致で選出した。ツバルは台湾と外交関係を持つ12カ国の一つだが、1月の総選挙で親台湾派のナタノ首相(当時)が落選。議員らの間には、中国との国交樹立を視野に外交政策の見直し論が出ており、台湾との関係が維持されるかどうかは不透明だ。
平和維持へ日本に期待─台湾正副総統 台湾の蔡英文総統と次期総統の頼清徳副総統は台北市内のホテルで開かれた天皇誕生日祝賀会に出席し、地域の平和維持へ日米などと協力していきたい考えを改めて示した。祝賀会は日本台湾交流協会台北事務所(大使館に相当)が主催する恒例行事で、同所によると、断交後に2003年に会が再開されてから現職の総統や副総統が出席するのは初めて。
中国、月の裏側でサンプル採取へ 中国の宇宙開発を担う国有企業「航天科技集団」は、今年の打ち上げ予定を説明する中で「世界で初めて月の裏側でサンプルを採取する」と明らかにした。中国は2019年、無人探査機「嫦娥4号」を月の裏側に着陸させる難しいプロジェクトに、世界で初めて成功している。

27日(火)
「中国にだまされるな」─前豪首相、引退演説で警鐘 2月末で政界を引退するオーストラリアのモリソン前首相は下院で議員辞職を前に演説し、中国の軍事的脅威や経済的威圧が厳然と続いていると指摘した。その上で「われわれはだまされてはいけない。中国の戦術は変わっても、彼らの戦略は変わらない」と警鐘を鳴らした。
「国家秘密」の管理厳格化─中国、全人代常務委が改正案可決 中国全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会は、国家機密の管理を厳格化する「国家秘密保護法」改正案を可決した。習近平国
家主席が重視する「国家安全」に絡み、「反スパイ法」などと合わせて外部への情報流出を徹底して防ぐ狙いがあるとみられる。

28日(水)
出生率0・72過去最低に─韓国 韓国統計庁は2023年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の推定人数)が暫定値で過去最低の0・72になったと発表した。減少は8年連続。前年から0・06ポイント減で、少子化に歯止めがかかっていない。

3月1日(金)
日本との関係「飛躍を」─韓国大統領 韓国の尹錫悦大統領は、日本の植民地支配に抵抗した1919年の「三・一独立運動」の記念式典で演説。来年に日韓国交正常化60年を迎えるのを機に、日本との建設的な関係を「一段階飛躍させることを期待する」と表明した。歴代大統領と異なり、演説の中で日本への批判や要求はなかった。

4日(月)
米韓が合同軍事演習開始 朝鮮半島有事を想定した定例の合同軍事演習「フリーダムシールド(自由の盾)」を開始した。高度化する北朝鮮の核の脅威を踏まえ、核使用の抑止に重点を置く。北朝鮮は最近、韓国を「第一の敵対国」と位置付け、平和統一政策の転換を宣言。
北朝鮮の軽水炉「活動継続」─IAEAト
ップ 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は北朝鮮北西部の寧辺にある核施設で臨界状態に達したとみられている試運転中の軽水炉について、「冷却システムからの激しい水の放出が観察さ
れ続けている」と指摘し、活動が継続しているとの見方を示した。ウィーンで同日開幕したIAEAの定例理事会で述べた。

5日(火)
中国、今年の成長率目標は「5%前後」 中国の全国人民代表大会(全人代)が北京の人民大会堂で開幕した。李強首相が読み上げる今年1年の政策方針を示す政府活動報告で、今年の経済成長率目標を「5%前後」に設定した。経済成長率は鈍化するとの予測が多い中、昨年と同じ水準に据え置いた。

6日(水)
南シナ海の平和維持で連携─豪ASEANオーストラリア南東部メルボルンで開かれた豪州と東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別首脳会議は南シナ海の平和維持のため連携を強化していくことをうたった「メルボルン宣言」を採択し、3日間の日程を終えた。南シナ海で5日に中国海警局の船舶がフィリピン船と衝突した事案を受け、中国を強くけん制した形だ。

8日(金)
「国安条例」案の審議開始、香港立法会香港政府はスパイ行為などを取り締まる「国家安全条例」案を立法会(議会)に提出し、審議が始まった。立法会は現在、政府を支持する親中派がほぼ独占しており、香港メディアによると、早ければ4月に同条例が成立する可能性がある。

13日(水)
中国でガス爆発28人死傷 中国・北京に隣接する河北省の雑居ビルで大きな爆発が起きた。ガス爆発とみられ、中国メディアによると2人が死亡、26人が負傷しビルは倒壊した。近隣住民は「地震のような衝撃」とともに複数の爆発音がしたと話しており、当局が詳しい原因究明を急いでいる。