永田町ファイル

記者会見 6・11

立憲民主党 岡田克也幹事長

政治団体間の資金の移動

【幹事長】国会審議は参院に移り、政治改革特別委員会、決算委員会が行われました。総理の答弁は、衆院の時と変わらない。要するに具体的な、例えば、いつまでにということには全く答えません。法案自体も検討だらけ。例えば、第三者機関をいつ設置するのか、どういう仕組みにするのか。衆院の委員会で私も聞きましたが、同じ答えの繰り返しでした。

法案を出した以上は、本来、そういうものは書き込まれているべきです。それが書いてないということは、どういう方針でやろうとしているのかきちんと説明しなければ、結局、何も出していないのと変わらない。自民党は検討に参加するとかいっていますが、ふざけるなと言いたい。参議院において審議の尽くされることを望みたい。

もう一つは泉代表から話が合ったと思いますが、「りっけん政治塾」は昨日で締め切り、約500名に応募をいただきました。多くの方に関心を持っていただいたことはありがたい。来週から5回にわたって講義を行い、1回目と5回目はリアルとオンラインを併用し、2、3、4はオンラインになりますが、是非、立憲民主党の考え方をご理解いただき、その中から、今年予想される総選挙、来年の参院選に候補者として手を挙げる方が出てくることを期待したいと思います。

【記者】都知事選についてお伺いします。告示まであと10日となりました。明日、小池知事が出馬を表明すると思います。先週、幹事長は小池都政について自民党と二人三脚の小池都政に問題がある、と指摘されました。小池都政の問題点をお聞かせください。

【幹事長】小池都政8年間の総括というのが一つにはあります。蓮舫さんが言われた通り公約がどこまで果たされたのか、また、築地と豊洲についても生かすことを言われたが現実には築地が全く形を変えてしまう。それがいいかどうかは別として、選挙の時に言われたことと違っていることに対して説明がありません。困っている人に対して思いが伝わってこない。そういったさまざまな問題があります。

もう一つは、自民党とタッグを組んでいるということ。都議会は伏魔殿だと言ってやり玉に挙げて当選した小池さんがいつの間にかがっちりスクラムを組んでいます。それも裏金問題で処分対象になりながら、なぜか都連の代表を続けている萩生田さんと二人三脚でやっているというのは国民の理解を得られないと思っています。

【記者】蓮舫さんは立候補の会見をされた時に、反自民・反小池都政・オール東京で幅広い支援を呼び掛けたいと言ってましたが、国民民主党は共産党と組んでいる方の支援は困難だとの見方を示しました。幅広い支援を受けるための取り組みはどうしますか。

【幹事長】自民党と組んでいる小池候補を結果的に応援することになると判断されているとすると、それは間違っています。

【記者】立憲民主党として都知事選の今後の方針はどうなるのでしょうか。

【幹事長】蓮舫さんの方から特に具体的な求めはいまありませんので、静観している状況です。

【記者】政治改革の話に戻ります。設置の期限を示さない第三者機関の在り方については公明や維新からも指摘が出ていますが、3党で合意したはずなのにこうなっていることについてどうお考えですか。

【幹事長】3党でどこまで合意したのか分からないですね。期限まで含めて合意したのかそれとも現在の法文の形で合意したのか。そうすると現在の法文はどこまでも先送りできる書き方です。国会での答弁もない。そうしたことで合意したことの是非が問われます。

【記者】関連して文通費の話ですが、幹事長は質問されましたが答弁はなかったと思いますが。

【幹事長】文通費については維新の馬場代表が、それが最も重要だと言っていた時期もあります。この前の日曜討論でも藤田さん(幹事長)は「今国会で」と言われました。自民と維新の間で「今国会」というのが前提となっているとすると、今国会で間に合わないということになると維新と自民の合意の前提が崩れると思います。

【記者】りっけん政治塾についてですが、応募の数についてどう感じられますか。

【幹事長】非常に短期間でどこまで周知できたか分かりませんが、500という数字はかなり多いなと思います。

【記者】選択的夫婦別姓についてです。経団連が早期の制度導入を求める提言書を発表しました。経済界から企業で働く女性の立場から不具合が多いという内容でした。立憲民主党はかねてより制度導入を掲げていますが、改めて受け止めと政府に求める対応を教えてください。

【幹事長】保守的と言われる経団連すら求めている中で、政治が先送りすることは許されません。明確に反対している主な政党は自民党だけではないですか。反対の理由も分からない。統一教会とか日本会議とかがいろんなご意見を持つのは分かりますが、そっちへ引っ張られているのかもしれませんが、明らかにこれはおかしい。この国会できちんと対応すべきだと思います。それができないならできない理由を公党として説明すべきです。

【記者】会期末まで残り2週間を切る中で、現時点で内閣不信任案についてのお考えは。

【幹事長】不信任案についてコメントするのは代表だけであると思っています。ただ今の状況をみれば、岸田さんは総辞職する、それができないなら解散するということだと思います。

【記者】国民民主党の玉木代表が、立憲民主党と維新の名前を挙げて共通政策の話し合いをする場を持ちたいとの発言がありました。その受け止めは。

【幹事長】基本的にはいい話だと思います。ただし、立憲民主党と一緒に自民党を倒して政権を目指すという認識が明確であることが前提になります。

【記者】東京都知事選で支援した蓮舫氏が3位に甘んじたが?

【幹事長】蓮舫氏は頑張ってくれた。戦略面での間違いや失敗、戦術面の不徹底があった。

【記者】党執行部や東京都連幹部の責任を問う声が上がっているが?

【幹事長】私は誰からも聞いたことがない。

【記者】蓮舫氏を上回り次点となった前広島県安芸高田市長、石丸伸二氏の得票については?

【幹事長】既成政党全体への忌避感があり、その受け皿になった。

保守岩盤層の怒り再燃か

記者コラム

昨年の通常国会では性的マイノリティーへの理解を深めることを目的としたLGBT理解増進法が成立し、多くの保守票が岸田自民党から離れた。さらに保守的なはずの経団連が先日、「選択的夫婦別姓制度」の導入に向け「スピーディーに議論してほしい」と国会に注文を付けた。これまで慎重だった自民党がこの影響を受け、保守岩盤層の怒りを再燃させてしまうのか。

「岸田さんは自分の考えがどうかよりも、まわりから批判されないためにどう振る舞うかというのが行動基準になっているから心配だ」と自民党本部職員は率直に指摘する。

このことは一国のリーダーが目指すべき国の形を持ち合わせていないことをも意味しており、危険的状況だ。平成8年に法制審議会が導入を求める答申をして以来、30年も経過したが、法制化に至らないのは、国民の多くが夫婦同姓こそが家族の一体感を育むもので、別姓では子供の姓をどうするかなどの問題が生じ「家族の崩壊」をもたらす原因になりかねないと考えているからだ。

立憲民主党の岡田幹事長は、自民党が反対する理由について「統一教会とか日本会議とかがいろんなご意見を持つのは分かるが、そっちへ引っ張られているのかもしれないが、明らかにこれはおかしい」と語り、「今国会で対応すべきだ。できないならできない理由を公党として説明すべである」と導入を当然視している。だが、経済界から「企業で働く女性の立場から不具合が多い」と言われた程度で、社会の基本単位である家族の在り方にかかわる制度を変更するというのは愚の骨頂だ。