増えるコインロッカー難民
シェアリング新サービスも
コインロッカーがふさがっていて、使いたくても使えないコインロッカー難民が増えている。
特に東京や新宿駅などの巨大ターミナル駅とか、京都、金沢駅とか国際的観光地の表玄関などが顕著となっている。
主因は外国人旅行者の急増だ。
日本政府観光局によると2018年の訪日外国人旅行者数は3119万人と、前年比で8・7%増となり過去最高を更新した。
今年はさらにそれを上回る勢いで、上半期の訪日外国人旅行者数は1663万人で、前年同期比の4・6%増。今年一年で3300万人を上回るペースだ。
こうした外国人旅行者が急速に増え、コインロッカーの需要に加速度がついている。
一方でJRなどのコインロッカーを管理運営しているJR東日本リテールネットによると、外国人旅行者増に合わせスーツケースなどが入る大型コインロッカーを増やしており、その分、通常の小型ロッカーの数を減らしているという。そもそもスペースに限りがあるので、この措置は避けようがない。
さらに、コインロッカー難民の発生だけでなく、ロッカー代金の値上げにもつながっている。
外国人旅行者などの需要拡大を受け、首都圏のJRや地下鉄のコインロッカーは今春から値上げが続いている。
JR東日本リテールネットでは今春から、大型コインロッカーの利用料金を1日600円のものは700円に、700円のものは800円にそれぞれ100円ずつ値上げした。
東京メトロはすべてのコインロッカーを、10月までにパス対応にする計画で、それに伴い小型ロッカー料金は一律400円にする計画だ。
来年の夏、開催されるオリンピックでは、テロ対策でコインロッカーの利用が制限される可能性があり、コインロッカー難民は今年から来年にかけ増えることが予想される。
なおコインロッカー難民を支援するサービスも、ぼちぼち出始めている。
えくぼクロークが手荷物シェアリングサービスを立ち上げ、スマホで全国各地の手荷物預かり所を選び、預ける日時と場所を選択し予約すると預けることが可能となっている。
えくぼクロークでは、カフェとか美容院など、様々な店で手荷物を預かってもらえるように、契約済みだ。
またコインロッカーの空きを確認できるサービスも出てきた。
これはロッカーコンシェルジュというサービスで、東京駅や上野駅、大阪駅などにあるロッカーコンシェルジュで駅構内に設置された画面とかスマホからコインロッカーの使用状況を確認できる。
コインロッカー一つ使うにも、大変な時代になってきたとつくづく思う。