政界日誌
8月10日(土)
「有志連合」で複数案、防衛省 中東ホルムズ海峡の航行の安全確保をめぐり、政府内では防衛省を中心に複数の海上自衛隊派遣案が検討されている。政府関係者によると、不審船などの警戒監視のためにP3C哨戒機の独自派遣や、海賊対処法で展開中の護衛艦を活用する案が浮上。米国が提唱する「有志連合」と連携しつつも、友好国イランを刺激することを極力回避することに腐心している。
7年ぶり日中戦略対話 外務省の秋葉剛男事務次官は中国の楽玉成外務次官と長野県軽井沢町で7年ぶりとなる「日中戦略対話」に臨んだ。両氏は同日朝の体発射を含め、北朝鮮情勢をめぐり意見交換。非核化実現のため緊密に意思疎通していくことを確認した。来春の習近平国家主席の国賓訪日に向け、ハイレベル交流を進め、関係改善の流れを加速していくことでも一致した。
12日(月)
韓国、優遇国から日本除外へ 韓国産業通商資源省は輸出管理上の優遇対象国から日本を除外する措置を発表した。日本の対韓輸出管理強化への事実上の対抗措置。9月中に実施される予定で、日本への輸出管理手続きが厳格化される見通し。
15日(木)
終戦74年、全国戦没者追悼式で陛下「深い反省」踏襲 終戦から74年を迎え政府主催の全国戦没者追悼式が、東京都千代田区の日本武道館で開かれた。令和最初の追悼式には、天皇、皇后両陛下や安倍晋三首相、全国の遺族ら6497人が参列し、先の大戦の戦没者約310万人の冥福を祈った。初めての参列となった天皇陛下はお言葉で、上皇陛下が使われた「深い反省」との表現を踏襲し、平和を思う気持ちを示された。
22日(木)
F2後継機、来年度に開発着手 2030年代半ばに退役が始まる航空自衛隊F2戦闘機の後継のステルス機について、防衛省は20年度に開発に着手する調整に入った。開発費は8月末の概算要求では金額を示さない「事項要求」にとどめ、年末の予算編成時に算出する。
空母化いずも、米軍機で先行訓練も─防衛相 岩屋毅防衛相は事実上の空母に改修する「いずも」型護衛艦で運用する米国製最新鋭戦闘機F35Bについて、機体の引き渡しを受けるまでの間、米軍の同型機による離着陸訓練などがあり得るとの認識を示した。
自民二階派45人に 自民党の清水真人参院議員(群馬選挙区)は同党二階派に入会した。同派の勢力は45人となった。
25日(日)
トランプ氏 日米貿易「基本合意」で9月署名目指す 安倍晋三首相はトランプ米大統領とフランス南西部ビアリッツで会談した。交渉中の日米貿易協定についてトランプ氏は基本合意に達したことを記者団に明らかにした。首相は、9月下旬に米ニューヨークで開かれる国連総会の際に再会談し、署名を目指すと語った。
野党系の大野氏初当選─埼玉知事選 任期満了に伴う埼玉県知事選は投開票され、無所属新人で主要野党の県組織が支援する元参院議員の大野元裕氏(55)が、無所属でスポーツライターの青島健太氏(61)=自民、公明推薦=ら新人4人を破り、初当選を果たした。
27日(火)
国民民主との統一会派了承─立憲両院総会 立憲民主党は両院議員総会を衆院議員会館で開き、衆参両院で国民民主党と統一会派を結成する方針を了承した。衆院では野田佳彦前首相が代表を務める会派「社会保障を立て直す国民会議」も合流する見通しだ。国民民主などと詳細を詰め、秋の臨時国会までの結成を目指す。
米、日本に迎撃ミサイル売却へ 米政府は日米が共同開発した迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」73発の日本への売却を承認し、議会に通知したと発表した。総額32億9500万ドル(約3480億円)相当。
28日(水)
政府、韓国を優遇対象から除外 政府は輸出管理上の優遇対象国から韓国を除外する措置を発動した。7月に実施した半導体材料3品目の対韓輸出管理厳格化に続く、規制強化の第2弾となる。7月以降、韓国は日本製品の不買運動を展開し、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を通告するなど対抗姿勢を強めており、事態の収拾は見通せない。
上野・厚生労働政務官、辞表を提出 自民党の上野宏史厚生労働政務官(48)(衆院比例南関東、当選2回)は外国人労働者の在留資格を巡る週刊誌報道を受け、根本厚労相に政務官の辞表を提出した。
30日(金)
いずも空母化に31億円=過去最大5・3兆円─防衛省概算要求 防衛省は2020年度予算の概算要求を発表した。総額は過去最大の5兆3223億円で、19年度当初予算比1・2%増。概算要求段階で7年連続の増額となっており、最終的に8年連続の増加予算となる見込みだ。昨年末に策定した防衛大綱と中期防衛力整備計画(中期防、19〜23年度)で打ち出した海上
自衛隊最大の護衛艦「いずも」空母化のため改修費31億円を計上した。
9月1日(日)
「事実上の対中切り離し」自民・甘利氏/米新法、先端技術流出を防止 自民党の甘利明選対委員長・元経済産業相は都内で講演し、米国が中国への先端技術流出を防ぐことを念頭に成立させた「輸出管理改革法(ECRA)」について、「事実上の中国デカップリング(切り離し)政策だ」と指摘した。
防衛省、米国製最新鋭機を次々配備 防衛省の2020年度予算概算要求は、米政府の言い値による武器購入と批判が出ている「有償軍事援助(FMS)」が5013億円(契約ベース)となった。陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」導入費などで膨らんだ19年度予算より2000億円減少したが、18年度に比べ900億円以上多い。
2日(月)
日中韓サミットへ12月訪中─首相 安倍晋三首相は、日中韓3カ国首脳会談に出席するため、12月24日に中国を訪問する調整に入った。政府関係者が明らかにした。中国の李克強首相、韓国の文在寅大統領
と、北朝鮮問題への対処や経済連携などを話し合う見通し。