永田町ファイル

記者会見

茂木敏充幹事長

新疆ウイグルでの人権侵害 1・17

【幹事長】11日今日の役員会について。岸田総裁からは、本日から通常国会が始まった。参議院選挙を控えた通常国会であり、しっかりと乗り切って参議院選挙で勝利を獲得したいという話がありました。
また、本日、再び、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことに厳重に抗議を行い、強く非難する。オミクロン、感染が急拡大する中で、病床がひっ迫しないよう、細心の注意を払ってかじ取りを行っていきたい。ワクチンの3回目の接種、それから接種の前倒し、濃厚接触者の待機期間の短縮等々に触れた上で、最新の知見に基づいて対応を進化させていくという話がありました。重層的に対応して、国民の安心安全を確保していきたい。
コロナ以外にも、日本経済再生の要である新しい資本主義や外交・安全保障、憲法改正など、課題が山積している。しっかりとそういった課題に応えていきたい。また、これらの政策課題に加え、統計問題はじめ、自ら襟を正して国民の信頼を得られるように取り組んでいく。党においても、茂木幹事長の下で、責任政党として、しっかりと党改革を進めてもらいたいという話がありました。
その先に、参議院選の勝利、そして、安定政権の確立がある。政治が安定することによって、様々な課題について結果を出す。結果を出すことによって国民の信頼をさらに厚くし、政権基盤を安定させていく。こういう好循環をつくっていきたいという話がありました。政府・与党一体となって、この通常国会を乗り切りたいという話がありました。
遠藤選対委員長からは、昨日から名護の市長選挙が始まった。わが党と公明党が推薦する現職と、野党勢力が推薦する新人との一騎打ちの構図となって、激戦が繰り広げられている。わが党は、現職の渡具知武豊市長再選に向け、選挙運動を積極的に展開していきたいという話でした。
高市政調会長からは、北朝鮮の弾道ミサイルの発射について、会議を開くという報告がありました。また一昨日、トンガで大規模な噴火があり、わが国でも津波が観測されました。今後も噴火の可能性は否定できないので、災害対策特別委員会を中心に、状況を注視していきたい。

【記者】今日の岸田総理の施政方針演説について伺います。新型コロナの対応ですとか、新しい資本主義に多くの時間を割かれていましたけれども、幹事長はお聞きになってどのような感想を抱かれましたか。

【幹事長】勝海舟の思いというか、決意を引きながら、非常に力強い演説であったと思っています。コロナ対策について、状況の変化に応じて機動的に対応していくという政府の対応について非常に分かりやすい説明であったと思っていますし、また経済の再生が極めて重要であって、そのために新しい資本主義を起動していくという強い決意が示されたのではないかなと思っています。初めての施政方針演説ということで、まさにこれから国会に向かっていく、また日本が直面する様々な内外の課題に先頭になって取り組んでいく、こういう強い思いが込められた演説であったと思っています。

【記者】公明党の石井幹事長が先週の会見で、参議院選挙での自民党との選挙協力について難航していると発言されました。幹事長の受け止めと、党としての方針について考えをお聞かせください。

【幹事長】参議院選挙の色んな準備でありますけれども、これは全体的に、昨年10月に衆議院の選挙もあったことがあって若干ずれ込んでいる状況だと思っています。わが党でも、1人区に関して、まだ10の選挙区で候補者が未決定です。作業をスピードアップして来月中には出来得れば、宮城の場合は特殊な事情があるのですけれども、選挙区での擁立の目途を立てていきたいと考えています。公明党の方は、比較的準備について少なくとも候補者の擁立については各党の中でも一番順調に進んでいるのではないかなと考えていますが、自公の選挙協力はこれまでの積み重ねもあるところでして、5つの選挙区で推薦を出すということについて、今、遠藤選対委員長が当該支部連合会と調整を加速しているところでして、私の方からもしっかり調整を進めてほしいという話をしているところです。

【記者】新疆ウイグル自治区などでの人権侵害行為を非難する国会決議案についてですが、本国会での早期採択を主張する党幹部もいますがどう対応されるお考えですか。

【幹事長】中国については、一方的な現状変更の試みの問題がある。国際的なルール、スタンダードに則った責任ある行動を取って欲しい。更には人権状況等々、懸案事項についてはしっかりと問題提起をして直接中国の行動を改めるよう、これまでも働き掛けをやってきました。ご指摘の国会決議ですが、まず関係者、熱心に取り組んでいらっしゃってくれる方がいるのですけれども、関係者だけではなく、各党において党内手続きをしっかりと終えていただくことが決議を採択する前提になりますので、そういった作業を進めてもらって各党が合意して採択に繋がればと考えています。

北朝鮮 1・5

【記者】北朝鮮についてですけれども、今後、党として何か対応されることがあれば、教えてください。

【幹事長】党としても連携をしながら、また政府の対応についてしっかりとバックアップをしていきたいと思っています。いずれにしても、発射されたもの、飛翔体がミサイルであれば、国連安保理決議に違反し、地域の平和と安全を脅かす暴挙でありまして、断じて許容されるものではないと考えております。

【記者】参議院選についてお伺いします。今、公認候補者の選定が進んでいると思いますが、いつまでに全体の候補者を選定するご予定であるのか、また勝敗ラインについても幹事長のお考えをお聞かせください。

【幹事長】地域によっても事情が違ってくるところがあります。宮城等々につきましては最終的な結論が出るのはおそらく4月になると、特殊事情もありますが、出来るだけこの1月2月に各地の候補者を決めていきたいということで、福島も決まる。神奈川の2人目も決まるということでありまして、32の一人区でどう勝利をするか、それからツーバイフォー。ツーバイフォーというのは、2人出すところ、北海道、それから千葉、東京、そして神奈川、このツーバイフォーでどう勝ち切っていくか、このことが極めて重要であると。こんなふうに考えておりますが、党としては当然、党が公認する全ての候補者の勝利に向けて全力で取り組むということでありますが、安定政権を維持すると。そのもとで様々な課題にしっかり対応し、結果を出していく。

非難される骨抜きの決議案

記者コラム

自民党の茂木敏充幹事長は会見で、人権侵害行為を非難する国会決議案の取り扱いについて質問され、「各党の党内手続きを終えることが採択の前提」とし他党の遅れが原因で採択が先送りになっていると語ったが、政府・与党のブレーキこそが原因だろう。
この案は中国の新疆ウイグル自治区などでの人権侵害行為を非難するはずのものだが、2国会で採択が見送られてきた。その背景に、自民党内の親中派や公明の反対があったからだ。昨年の通常国会では他党と文面づくりを終えていながら、当時の二階俊博幹事長ら党執行部の「承認」が得られず、提出されなかった。昨年12月の臨時国会の際にも、高市早苗政調会長(「南モンゴルを支援する議員連盟」会長)や超党派の「日本ウイグル国会議員連盟」の古屋圭司会長、「日本チベット国会議員連盟」の下村博文会長らが、茂木幹事長に採択を申し入れたが、「タイミングが悪い」と拒否された。
決議案の内容も、当初、中国に対する批判が中核にあったが、公明党とのすり合わせの過程で、中国の国名が外され、「人権侵害」を「人権状況」に修正、さらに「非難決議案」から「非難」を削除するという骨抜き案になってしまった。
この中国に気兼ねした修正案を採択したとしても、新疆ウイグル自治区の当局者らに制裁を科している欧米諸国から非難されることは避けられまい。中国からも嘲笑されよう。岸田首相は「対中非難」決議を、対日非難の材料にされる愚を犯すのか。