政界日誌
8月18日(金)
日米韓首脳会談、中国念頭に戦略連携
岸田文雄首相、米国のバイデン大統領、韓国の尹錫悦大統領は米ワシントン郊外の大統領山荘キャンプデービッドで会談した。3首脳は、首脳や閣僚級の会談を定例化させることで一致。中国や北朝鮮の脅威を念頭に、有事の際に日米韓で速やかに協議することも確認した。
福島復興に910億円―経産省概算要求
経済産業省がまとめた2024年度予算概算要求の概要が分かった。一般会計は4286億円、エネルギー特別会計は7820億円。東京電力福島第1原発にたまる処理水対策を含め、福島復興の加速に関しては前年度当初予算比157億円増の910億円を要求する。
19日(土)
維新・国民が改憲シンポ
日本維新の会と国民民主党は憲法改正に関するシンポジウムを東京都内で開いた。維新の馬場伸幸、国民の玉木雄一郎両代表が参加。大規模災害時の国会議員任期延長など「緊急事態条項」創設や9条改正をテーマに議論し、改憲への積極姿勢をアピールした。
21日(月)
「法の支配」強化へ人材育成―外務省、国際法セミナー初開催
外務省は「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国の行政官らを東京都内に招き、初の「国際法セミナー」を開催した。中国の強引な海洋進出を念頭に、インド太平洋地域で「法の支配」に基づく国際秩序の維持・強化を図るための人材育成を目指す。林芳正外相はビデオメッセージで「法の支配に導かれた平和の実現に貢献したい」と述べた。セミナーにはアジア、中東、アフリカの計11カ国が参加。
枝野氏に対抗馬「党の方針」―共産・小池氏
共産党の小池晃書記局長は記者会見で、次期衆院選の埼玉5区に立憲民主党の枝野幸男前代表の対抗馬となる公認候補を擁立したことに関し、「積極的に小選挙区候補を擁立するのは党の方針だ」と強調した。同時に「いろいろな話し合いをする可能性はどの選挙区でもある」と述べ、今後の候補者調整に含みも残した。
22日(火)
IAEAが拠点を新設 監視データを公開方針
東京電力福島第1原発からの処理水放出決定を受けて、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は声明を発表し、同原発構内にIAEAが新設した拠点には既に職員が常駐しており「安全基準に合致しているかどうか、放出が始まる日も監視できる」と強調した。監視データを国際社会が利用できる形で、なるべく即時に公開する方針も表明した。
自民・松川氏、女性局長辞任―「エッフェル塔」写真で
自民党の茂木敏充幹事長は役員会で、松川るい参院議員から提出された女性局長の辞任届を受理したと報告した。同局のフランス研修中の写真に批判が集まったことを受けた対応。茂木氏は「国民の信頼を損なうものだ。意見や批判を真摯に受け止め、地道に活動を積み重ねながら、信頼回復に努めたい」と述べた。
谷垣グループ、派閥化見送り
自民党谷垣グループ(有隣会、約20人)は長野県軽井沢町で研修会を開いた。代表世話人の遠藤利明総務会長は、同グループの派閥化について「『谷垣派』という思いもあったが、当面今のままでいく。他の派閥と違った形の政策集団として、力を合わせ努力していく」と見送る意向を表明した。
23日(水)
殺傷武器輸出の一部容認─政府が与党に見解提示
防衛装備品の輸出ルール緩和に関する自民、公明両党の実務者協議が再開した。政府は殺傷能力のある武器について、輸出を一部容認する見解を提示。国際共同開発した装備品の第三国への移転も可能にすべきだとの立場を示した。政府見解を踏まえ、与党は防衛装備移転三原則の運用指針見直しの議論を進める。
24日(木)
処理水 海洋放出を開始─東電福島第1原発
東京電力は東電福島第1原発の敷地内にたまった処理水の海洋放出を開始した。放射性物質トリチウムを含む処理水の保管タンクを減らし、政府と東電は福島復興に向けて今後30年程度にわたる廃炉作業に取り組む。原発事故から12年余りを経て廃炉に向けた節目を迎えたが、安全性の確保や風評対策の徹底は大きな課題だ。
東京選挙協力、自公復活へ
岸田文雄首相(自民党総裁)と公明党の山口那津男代表は次期衆院選について首相官邸で約1時間協議し、破綻状態にある東京での選挙協力を事実上復活させることで大筋合意した。自民に反発して一方的に協力を解消した公明が姿勢を軟化させた。両党幹事長間で詳細な条件を詰め、できる限り早期に党首間での合意文書署名を目指す。
25日(金)
政府、新型コロナ専門家会議を刷新
政府は新型コロナウイルス対策などを検討する「新型インフルエンザ等対策推進会議」のメンバーについて、議長の尾身茂氏(74)らを退任させる人事を正式に発表した。現在30人超のメンバーは15人に縮小。新型コロナ感染症対策分科会などは一定の役割を果たしたとして、廃止する。
衆院解散「検討の様子ない」―自民・森山氏
自民党の森山裕選対委員長は衆院解散・総選挙について「いつあるかも分からない。(岸田文雄)首相がいつということを考えている様子もない」と述べた。長崎県佐世保市で開かれた党支部の会合で講演した。早期解散がなければ、衆院長崎4区の補欠選挙(10月22日投開票)が行われる。森山氏は補選について「10月10日に告示があることを強く認識し、戦いを進めていかなければならない」と引き締めた。
26日(土)
山口・公明代表 訪中を延期
公明党は山口那津男代表の28日からの中国訪問を延期すると発表した。中国側から「当面の日中関係の状況に鑑み、適切なタイミングではない」と伝えられたという。中国は東京電力福島第1原発の処理水放出に強く反発しており、判断に影響したとみられる。
29日(火)
「極超音速」新迎撃弾、来春にも日米開発着手─防衛庁
防衛省は音速の5倍(マッハ5)以上の高速で飛ぶ「極超音速兵器」に対処する新型迎撃ミサイルの日米共同開発について、自民党の関係会合で説明した。
日本学術会議の民間法人化など議論─政府有識者懇談会
政府は日本学術会議の組織の在り方を検討する有識者懇談会(座長・岸輝雄東京大名誉教授)の初会合を内閣府で開いた。国の「特別の機関」という現在の位置付けを見直し、民間組織化も含めて議論を行う。政府は有識者からの意見を踏まえた上で、今後の対応を検討する。
30日(水)
サイバー特捜隊を部に格上げ、警察庁
被害が深刻化するサイバー犯罪や攻撃に対処するため、警察庁が発表した2024年度の組織改正要求で、サイバー特別捜査隊を「特別捜査部」に格上げすることを明記した。部の中に「特別捜査課」と「企画分析課」を置き、海外当局との共同捜査に積極的に取り組む方針。
31日(木)
来年度予算、概算要求114兆円前後
財務省は各省庁からの2024年度予算の概算要求を締め切った。一般会計の要求総額は114兆円前後となり、過去最大だった22年度(111兆6559億円)を上回る見通し。110兆円を超えるのは3年連続。岸田政権が増額を目指す防衛費や、借金に当たる国債の利払い費が膨らんだ。近く要求額の集計結果を公表する。
防衛省概算要求、過去最大7・7兆円
防衛省は2024年度予算概算要求を発表した。総額は過去最大の7兆7385億円。
自民安倍派、新体制発足
自民党安倍派(清和政策研究会)は総会で、新たな集団指導体制を正式に発足させた。会長不在は続き、意思決定を担う「常任幹事会」は15人に膨れ上がる。集団指導に反対し、幹事会メンバーから外された下村博文元政調会長は不満をにじませるなど、党内最大派閥の結束力の低下が改めて浮き彫りになった。
9月1日(金)
ライドシェア解禁を―小泉元環境相
自民党の小泉進次郎元環境相は札幌市内で講演し、一般ドライバーが有償で他人を送迎するライドシェアの解禁を訴えた。「タクシーだけで交通の不便さを解消することはもはやできない」と強調した。観光客が増加する一方、移動手段の供給が追い付いていないとして、「完全に経済へのダメージだ」と指摘した。
秋本議員への資金提供「国会質問への謝礼の趣旨」─日本風力開発・塚脇氏供述
洋上風力発電事業を巡る汚職事件で、「日本風力開発」(東京)の塚脇正幸社長(64)が東京地検特捜部に対し、秋本真利・衆院議員(48)に提供した資金について、「国会質問への謝礼の趣旨があった」と供述していることがわかった。同社は1日付で塚脇社長の辞任を発表。
2日(土)
国民代表選、玉木氏が再選
国民民主党の代表選が東京都内での臨時党大会で投開票され、玉木雄一郎代表(54)が前原誠司代表代行(61)を破り、再選された。