永田町ファイル

記者会見 3・4

茂木敏充幹事長

政治倫理審査会

【茂木幹事長】(本日開催された役員会で報告したのは以下の点です。)先週2日に「令和6年度予算案」を衆議院で可決できました。週末、土曜日の審議、採決となりました。予算案には、能登半島地震からの復旧・復興、物価高対策など、内外の諸課題に対応する様々な重要施策が盛り込まれています。本日より、参議院において審議を進めてもらっており、一日も早い成立を期したいと思います。これから、政府提出法案の審議もスタートします。戦略物資の国内生産の拡大やこども・子育て支援、食料安全保障の強化など重要政策の推進に向け、法案成立に万全を期していきたい。

現在、「政治刷新本部」の3つのワーキンググループにおいて、制度面、運用面から改革案の議論を進めてもらっています。今週7日に「政治刷新本部」を開催し、制度面、運用面の改革案や、3月17日の党大会に向けた党則、党規律規約の改正、ガバナンスコードの改訂について議論を行う予定です。党大会まで、あと2週間となりました。国民の厳しい目が向けられている中、わが党として、深い反省と危機意識に立ち、全く新しい自民党に生まれ変わるという強い決意を示す党大会にしたい。

【記者】本日、下村(博文)元文科大臣が、政倫審の出席について、「党と相談して説明責任を果たしたい」とSNS上に出席に前向きな意向を示されました。下村議員から相談があったのかどうかということと、安倍派の事務総長経験者である下村さんが出席に前向きな姿勢を示していることについて受け止めをお願いします。

【幹事長】私には相談は来ておりませんけれど、政倫審の審査は、本人よりの弁明の申し出が基本です。審査を通じて、事実関係が明らかとなり、説明責任が果たされることは重要だと思っています。

【記者】政治倫理審査会に出席した安倍派幹部が、還付について歴代会長と事務局長で慣例的に行っていたと話していますが、今後、実態解明に向け、歴代の安倍派会長や事務局長などから聞き取りを行っていく必要性について、お考えをお願いします。

【幹事長】先月、わが党の現職議員を中心に91名を対象として聞き取り調査を実施し、第三者の弁護士調査チームが報告書をまとめました。この報告書は、安倍派における還付金につき、今回立件された事務局長が着任する以前から、相当前から、収支報告書に記載しないなど不適切な取扱いが行われていた可能性が高い。このように指摘をされています。こういった慣行は、不適切、また適法ではないということは、間違いないと思っていますが、どこまで遡り、どうすれば実態解明につなげることができるのか。そのことはよく検討していく必要があるなと思っています。

【記者】本日の参議院予算委員会で、幹事長の資金支出についての質疑がありました。岸田総理からは丁寧な説明の重要性について言及がありましたが、今後どのような対応をお考えですか。

【幹事長】まず私の国会議員関係団体の政治資金については、法令に従い適切に処理し、その収支を報告しています。ご指摘の後援会の連合会、これは私の「国会議員関係政治団体」ではありませんが、同会においても、政治資金規正法の規定に則り、その収支を適正に報告している。このように承知しています。

【記者】先程、予算委員会の中で新藤大臣に関しても同様に資金移動の問題が指摘されました。今回、茂木派の中で会長、事務総長それぞれが指摘されていますが、この点についての受け止めは。

【幹事長】私以外の国会議員の政治団体の活動の詳細であったりとか、その収支報告については承知をしていませんが、既に何人かの名前が出ていると思います。そして多くの国会議員は、名称はともかくとして、また「その他の政治団体」に登録しているかどうかは別にして、後援会を持っているのだと思います。そしてその後援会が政治活動を行っているのではないかなと考えています。

国会議員関係団体の収支報告は、政治資金規正法上の公開の仕方に若干の違いがあるということでして、国会議員関係政治団体の方が、より広くというか公開性が高い部分もあると考えています。その他の方の後援会の活動について、収支はどうなっているか。おそらく適法に処理をされているんだと思っていますが、この「違いがある」ということについて申し上げると、例えば私の後援会の場合、その収支を見ていただきますと、大体6割くらいが人件費という形です。人件費については、国会議員関係政治団体でも、その他の政治団体でも、基準は一緒ですが、その他の政治団体になりますと、1万円超か5万円超かという違いも出てきます。

今後の対応ですが、政治資金の透明性は高める必要があるのではないかと考えています。例えば、後援会の活動の中で、政党支部として代替できる、政党支部としてその活動ができる部分もあるのではないかと思っています。そういう活動については今後、政党支部の活動として行う。それによって、収支の「見える化」というか、透明性の向上を図っていく。これも検討していく必要があるなと考えています。

【記者】本日の日経平均株価が史上初の4万円台に達しました。これについての受け止めと、日本経済の成長に向けて、政府与党として今後取り組んでいく政策などについてのお考えをお聞きします。

【幹事長】先月のバブル後最高値更新に続き、今日は終わり値でも史上初めて4万円を超えるということで、日本経済への強い期待感を感じます。この株価の動向ですが、実体経済の改善を伴う株高だと考えています。実際、企業収益は過去最高、また設備投資も2ケタ増加しています。この流れを加速し、賃上げと所得向上によって国民生活を豊かにし、消費が増え、そして市場も拡大する、さらにそこに投資が向かう、こういう好循環につなげていきたいと思います。

日本経済は、30年来のデフレから脱却して、新たな成長段階にジャンプ・アップする大きなチャンスを迎えています。先週末には、賃上げや人への投資、そして、GX、DXなど戦略分野への投資促進策を盛り込んだ「令和6年度予算」が衆議院を通過しました。この予算を通じて、「成長志向型経済」への転換に向けた取り組みをさらに進め、マーケットを含めた国内外の期待にもしっかりと応えていきたいと思っています。

異様な額の資金移動は脱法か

記者コラム

自民党の茂木敏充幹事長の資金管理団体が、使途公開基準の緩い政治団体「茂木敏充後援会総連合会」に毎年多額の資金を寄付して支出の具体的な内容が分からなくなっているのが脱法行為なのではないか、という疑惑が急浮上した。立憲民主党の蓮舫氏が4日の参院予算委員会で、岸田文雄首相に質問したものだ。裏金づくり問題は安倍派と二階派に集中し、関係議員の処分の軽重が議論されているさ中。岸田首相は「茂木氏本人の説明が重要だ」と表明。茂木幹事長は同日の記者会見で「法令に従い適切に処理し、その収支を報告している」と合法であることを強調した。

ただその額があまりにも大きい。寄付による資金移動が2009~22年の14年で4億4590万円に上る。後援会総連合会の支出のうち使途明細がない割合は09年と12年を除き毎年90%を超え、全体で94・4%を占めた。野党関係者は「資金移動によって透明性が骨抜きになっていた。異様な額で、裏金に当たらないか」と指摘。立憲の長妻昭政調会長も7日の記者会見で、この問題を批判。「支出隠しの脱法行為だ。非常に悪質で、徹底した実態解明が必要だ」と強調した。

同様の疑惑が茂木派事務総長の新藤義孝経済再生担当相や麻生派の棚橋泰文元国家公安委員長にも投げ掛けられており、自民党の裏金問題は深刻の度を増している。