二階俊博自民党幹事長

記者会見

永田町ファイル

内閣改造  8・23

【記者】安倍総理の在職日数が佐藤栄作元総理と並んで戦後最長となりましたが、受け止めをお願いします。

【幹事長】安倍総理が戦後最長の在任期間に並んだことは、素直にお祝いしたいと思います。これはとりもなおさず、1日1日しっかりと国家国民のために、自民党のために先頭に立って頑張ってこられた総理のお姿が評価され、長期政権につながったものと理解しています。これまでの安倍政権に対する国内、そして海外の多くの関係者の皆さんの協力の下に、様々な課題に党と政府が一致結束して取り組んできた結果でもあろうと思っています。

 これからも安倍総理を先頭に、政府与党が一体となって、しかし、謙虚で丁寧な国政運営を片時も忘れることなく、国民の皆さんの期待に応えて参りたい。

【記者】安倍総理がここまで長く続けているのは、内政外交などしっかり成果を出しているからとお考えですか。

【幹事長】おっしゃる通り、政策的に実績を上げ、成功をもたらしていることが支持をいただいている一番の理由だと思いますが、同時に、国民の皆さんから信頼され、そして、敬愛を寄せていただいているという様子が一番政治の上において大事なことだと思います。

 好きか嫌いかというこの単純なことが、政治には大変重要なポイントの分かれ目になるから、そういう意味で大変多くの皆さんからご支持をいただいているということは、本当に党を運営するものにとっても、誇らしく嬉しく思っているところです。

【記者】総裁の4選を含めて、さらに続けてもらいたいというお考えは。

【幹事長】これは、総理ご自身のご決意ご判断によるところが大きい訳ですが、我々は総理のそういう決意、決断をなされた場合は全力を尽くして、党としても国民の1人としても支援をしていきたいと思います。

【記者】秋には内閣改造がありますが、幹事長は引き続き、幹事長として安倍総理を支えていきたいというお考えでしょうか。

【幹事長】これはどこにいても、一党員として、安倍総理を支えたいという気持ちには変わりありません。そういう気持ちには異論ありませんが、私がどういう立場で支援するかどうかというのは、これは人事に関わることですから。私は特にそういう問題に対しては従来もそうでしたが、今回も関心を持っておりません。結果に淡々と従うまでです。

埼玉県知事選  8・23

【記者】埼玉県知事選挙の敗因をどのように分析していますか。また今回は大型の地方選挙での敗戦ですが、政権運営への影響についてはどのように見ていますか。

【幹事長】政権は如何なる時であっても緊張感を持って対応をしていかなくてはなりませんが、このような結果を受けて、なお一層その感を深くしているところです。選挙の結果、分析、その他はこれから更に慎重に念を入れてやっていきたい。

【記者】埼玉県に関しては参議院の補欠選挙が控えています。自民党として候補者を擁立するのかどうか、現状はどう対応するお考えでしょうか。

【幹事長】何時如何なる選挙であっても候補者を擁立し、国民の皆さんの、県民の皆さんのご協力をいただきながら対応をしていくというのが、政権政党としての責務です。したがいまして、われわれは県連とよく相談をして、その方向を決めていきたい。

【記者】埼玉知事選挙は与野党一騎打ちの戦いでした。参議院選挙でも、地方の与野党一騎打ちの構図のところで一人区は十敗しましたが、今回は都市部での戦いに敗れた形となります。衆議院選挙の小選挙区では与野党一騎打ちの対決が予想されますが、どのように埼玉知事選挙での敗戦を受け止めていますか。

【幹事長】埼玉の話については厳しく受け止めていますが、衆議院選挙は衆議院選挙でまた別ですよね。衆議院議員は常在戦場というのは、言葉の上での常在戦場ではないですから。私も衆議院議員ですけれども、毎日が選挙運動と思って活動しています。これは四六時中そうです。ですから、選挙が来たからどうだとかそんなことではなくて、それをまた選挙民の皆様はずっと日頃から見ています。人の顔色をうかがい、人様にどういう言葉を使えば受けるかとかそんなことではない。皆冷静に活動の実績を見ているので、そこを考えながら日常活動をしっかりやるということですね。

【記者】先日、高知県知事の尾崎知事が四選への不出馬を表明して、自民党から高知2区で出馬したいとの意向を示されました。高知2区は、自民党としては山本有二先生が比例復活した状態ではありますが、この点についてどのように対応されますか。

【幹事長】県連がしっかり対応しているでしょうから、県連の報告を聞いて判断します。今現在は県連からまだそういう報告は上がって来ていません。

【記者】高知2区に関して、一部報道では二階幹事長が尾崎知事に会われたというものもあります。尾崎知事を支援するというような約束をされたのでしょうか。

【幹事長】そんな軽々なことをするわけないじゃないですか。県連の意向を尊重します。

日露首脳会談  9・3

【記者】明後日、安倍総理はウラジオストクで日露首脳会談に臨まれます。平和交渉の締結に向けては、ロシアは急いでいないようにも見受けられます。安倍総理に期待することを教えてください。

【幹事長】われわれは常々、総理の外交に全面の信頼を寄せている。ご支持を申し上げているわけです。その範囲において、総理がご判断されるだろうと思っております。

【記者】今回の内閣改造、党役員人事については11日という日程です。この日になった理由や背景について、どのように考えておりますか。

【幹事長】特に存じておりませんし、特別関心を持っておるわけではありません。総理の御一存でお進めいただければ結構です。

【記者】内閣改造に関して、現在は女性の閣僚が一人です。女性の閣僚の数について、どのように考えておられますか。

【幹事長】私は、女性の閣僚の数ということは一つの目安というか、マスコミ的な見方からしても焦点の一つだと思いますが、女性を何名なんていうこと自体が私は失礼なことで。男性も女性も合わせて内閣あるいは党役員等に、最高の布陣を敷くことが常に大事なことであって、女性であれ男性であれ私は特に関心はありません。

内容こそが問われる歴代最長政権

記 者コラム

 安倍首相の通算在任日数が8月23日で計2798日となり、憲政史上2位で戦後最長の佐藤栄作と並んだ。11月20日まで政権を維持すると、計2886日の歴代最長の桂太郎も超える。7月の参院選を勝利して臨む秋の国会も余程のことがない限り順調に進むことから、歴代最長政権になることは確実だ。その上、二階幹事長への記者会見(27日)で党規則にない「安倍総裁4選」に関する質問が出るほど「安倍1強」体制は強固である。

 しかし、長くなればなるほど「何をしたのか」の中身が問われるのは当然だ。「結局、北方領土返還も北朝鮮による拉致問題も解決のめどが全く立っていない。中国との関係も中途半端。憲法改正の論議すらできていない」と厳しい指摘をする自民党職員も。ポスト安倍の有力候補が見つからないため、安倍首相に期待をしているからこその声ではあろう。

 その首相は8月13日、山口県で父晋太郎の墓参をした際、「いよいよ国会で改憲論議を進めていく時を迎えている」と報告した。だが、論議をすることはできても首相の「志」とする改憲実現にはまだまだ時間がかかりそうだ。

 その最大の障害の一つが長期政権を支えてきた公明党の存在にあることは皮肉である。改憲勢力とは言われるものの論憲政党の域を出ないのが公明党なのだ。この党をどう説得できるのかが、実は最大の難題なのである。