政界日誌

10月20日(火)

ロシアの東京五輪サイバー攻撃、昨年9月から始まる─英報道 ロシアの情報機関が東京五輪・パラリンピックの関係団体などを標的にサイバー攻撃を仕掛けていたとされる問題で、サイバー攻撃は昨年9月から始まったことが明らかになった。英紙インディペンデントが英当局関係者の話として伝えた。組織的ドーピングをめぐり、ロシアが東京五輪から除外される可能性が高まっていた時期で、報復の目的があったとみられる。

21日(水)

首相内外会見 南シナ海で中国牽制 菅義偉首相は訪問先のインドネシアで内外記者との会見で、海洋進出を強める中国を念頭に「南シナ海の緊張を高めるいかなる行為にも反対する」とけん制した。日本が提唱し、中国が警戒する「自由で開かれたインド太平洋」構想について「特定の国を対象としたものではない。インド太平洋版のNATO(北大西洋条約機構)をつくる考えは全くない」と反論した。

北方領土、初の上空慰霊 ロシアが実効支配する北方領土の元島民らが、チャーター機で北方四島周辺を飛行し、上空から先祖を供養する「上空慰霊」が始まった。新型コロナウイルスの影響で、日露両政府による「ビザなし交流」などが中止となり、元島民らの意向を受け、日本側の独自事業として初めて実施した。

特定失踪者家族会と面会─官房長官 加藤勝信官房長官は北朝鮮による拉致の可能性が排除できない「特定失踪者」家族会の大沢昭一前会長らと首相官邸で面会した。加藤氏は「認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の一日も早い帰国の実現に向けて全力で取り組んでいきたい」と述べた。

増子氏が自民会派入り 自民党は無所属の増子輝彦参院議員の会派入りを参院事務局に届け出た。増子氏は自民、新進、民主、民進、国民民主などの各党に所属。国民の立憲民主党との合流に伴い無所属となった。自民党福島県連は「突然で驚きを禁じ得ない。県連としては反対だ」とのコメントを出した。

22日(木)

強制わいせつ問題で初鹿衆院議員が辞職願 強制わいせつ問題で立憲民主党を離党し無所属となった初鹿明博衆院議員(比例代表東京ブロック)は衆院に辞職願を提出した。この後、衆院議員会館で記者会見し、「相手や支援者、有権者、立憲民主党へのけじめとして議員辞職する」と説明した。

石崎議員、自民を離党─暴行罪で略式起訴 自民党は石崎徹衆院議員(36=比例代表北陸信越ブロック)が提出した離党届を受理した。石崎氏は当時秘書だった男性を殴ったとして、新潟区検から先に暴行罪で略式起訴されていた。

社民、分裂へ─立憲合流で離党容認 社民党が、同党残留組と立憲民主党に合流する勢力に分裂する見通しとなった。常任幹事会で、立憲に合流するための離党を容認する議案を11月14日に東京都内で開く臨時党大会に諮ることを多数決で決めた。

案里被告公判に出廷の河井元法相、証言を拒否─東京地裁 昨夏参院選をめぐる大型買収事件で、公選法違反(買収、事前運動)罪に問われた参院議員、河井案里被告(47)の公判が東京地裁(高橋康明裁判長)であり、夫で元法相の克行被告(57、衆院議員)の証人尋問が初めて行われた。克行被告は「必要なことは自分自身の裁判で申し上げたい」などと述べ、証言拒否を繰り返した。克行被告の出廷は、自身の弁護団を全員解任して以来約1カ月ぶり。

小中不登校18万人と過去最多、7年連続増 文部科学省が公表した問題行動・不登校調査によると、2019年度に不登校が理由で小中学校を30日以上欠席した児童生徒は18万1272人で、過去最多を更新した。増加は7年連続で、約10万人が90日以上欠席していた。

23日(金)

学術会議見直し「年末までに結論」─科技相 日本学術会議を所管する井上信治科学技術担当相は同会議の梶田隆章会長と内閣府で会談し、会議の在り方の見直しに向けた検討状況を年内に報告するよう求めた。この後、記者会見し、「いろいろ意見交換しながら私の方からも、物を申す形で年末までに結論を出したい」と述べた。梶田氏は要請に応じる考えを示した。

天皇訪英、来年で再調整 来日したトラス英国際貿易相は新型コロナウイルスの感染拡大で延期された天皇、皇后両陛下の英国訪問に関し、「来年の訪英日程の再調整がかなうのであれば、それを切望する」と述べ、来年の実現に期待を示した。日英の経済連携協定(EPA)署名の記者会見で語った。

国民、衆院統一会派を離脱 国民民主党は立憲民主党などと組む衆院統一会派の解消を決めた。玉木雄一郎代表が記者団に発表し「結党後初めての本格的な国会論戦で、まずはわが党として足元をしっかり固めたい」と語った。最大の支持団体である連合は統一会派の維持を求めており、関係悪化も予想される。

尖閣調査、法制定に前向き─自民政調会長 自民党の議員連盟「尖閣諸島の調査・開発を進める会」代表の稲田朋美元防衛相らは党本部で下村博文政調会長と会い、沖縄県・尖閣諸島の領有権を守るため、尖閣周辺海域の調査を実施する議員立法策定に協力を求めた。下村氏は「尖閣の調査・開発に関する議論を党内で進めるべきだ」と応じた。このあと稲田氏は記者団に、度重なる中国船の領海侵入を挙げ「法執行を中国がやるかのような外観をつくり出そうという試みがある」と指摘。「調査は主権国家であれば当たり前のことだ」と訴えた。

ゆくゆくはシックスアイズに─河野担当相 河野太郎規制改革担当相はオンラインによるシンポジウムで基調講演を行い、米国、英国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダの英語圏5カ国でつくる機密情報を共有する枠組み「ファイブアイズ」について「『ファイブアイズ』に日本も連携し、ゆくゆくは『シックスアイズ』にしていきたい」と述べた。河野氏は講演で、米英など5カ国との連携の重要性を強調。その上で「日本はアングロサクソンの国ではないが、この5カ国と価値観を全く共有する」と参画の意義を説いた。

24日(土)

菅首相「無条件で正恩氏と会う」と拉致解決へ意欲 菅義偉首相は東京都内で開かれた、北朝鮮による日本人拉致被害者全員の即時帰国を求める「国民大集会」(主催=拉致被害者家族会など)であいさつし、「条件を付けずに朝鮮労働党委員長と会う用意がある」と述べ、北朝鮮との無条件での会談に改めて意欲を示した。集会は新型コロナウイルスの影響で延期され、今年初の開催。約800人が参加した。

25日(日)

富山県知事に新田氏初当選 任期満了に伴う富山県知事選は投開票が行われ、無所属新人で日本海ガス前社長の新田八朗氏(62)が、5選を目指した現職の石井隆一氏(74)、NGO代表で新人の川渕映子氏(71)の無所属候補2人を破り、初当選を確実にした。自民党県連は石井氏の推薦を決めたものの、一部県議らが新田氏の支援に回り、事実上の分裂選挙となった。

岡山県知事に伊原木氏3選 任期満了に伴う岡山県知事選は投開票され、無所属現職の伊原木隆太氏(54=自民、立憲民主、公明推薦)が、無所属新人で元県議の森脇久紀氏(57=共産推薦)を破り、3選を果たした。

26日(月)

首相所信表明 東京五輪開催へ決意 第203臨時国会が召集され、菅義偉首相は衆参両院本会議で内閣発足後初の所信表明演説に臨んだ。首相は、来年夏に延期された東京五輪・パラリンピック開催への決意を表明。新型コロナウイルス対策と経済活動を両立させる方針を明言した。温室効果ガスの排出量を2050年までにゼロとする目標も掲げた。

27日(火)

再生エネ普及へ法改正、脱炭素「政府全体で見直し」─小泉環境相 小泉進次郎環境相は閣議後記者会見で、地球温暖化対策で二酸化炭素(CO)の排出削減に取り組む自治体に対し、再生可能エネルギーの普及を制度面で後押しするため、「具体的な法改正について、今後速やかに検討会を設置して検討を急ぎたい」と述べた。

首里城再建の寄付が50億円突破 首里城火災から31日で1年がたつのを前に、県の正殿一帯の再建や、沖縄美ら島財団の焼損文化財の修復などに使う二つの基金に、国内外から50億円を超す寄付が集まっていることが分かった。

28日(水)

GoToトラベル延長へ 観光支援事業「Go To トラベル」で、政府が実施期間の延長を検討していることが分かった。政府は2021年1月末までを目安としてきたが、新型コロナウイルスで打撃を受けた観光業の支援を継続。与党内には21年春の大型連休まで延ばすよう求める声があり、延長幅は今後調整する。

古賀氏「岸田氏以外」に言及、将来の自民総裁選で 自民党の古賀誠元幹事長は東京都内で講演し、かつて自身が率いた宏池会(現岸田派)が党総裁候補として岸田文雄前政調会長以外を擁立する可能性に言及した。また、来年秋の総裁選に関し、菅義偉首相の再選を支持する立場を示唆した。