永田町ファイル

記者会見

茂木敏充幹事長

総合経済対策 9・20

【幹事長】ロシアによるウクライナ侵略後、初めてとなる国連総会の一般討論演説が本日から始まります。岸田総理は台風14号の影響等を見極めながら、本日出発しました。国際秩序の維持・強化、国連の機能強化に向けてわが国の考え方を発信し、国際社会の結束を促す重要な機会となると考えています。

10月3日の召集が見込まれている臨時国会では、足元の物価高や世界経済の減速傾向を見据えた大規模な経済対策を実行するための補正予算の審議も予定されています。自民党が結束して臨み、国民生活を守り、わが国の経済を力強く前に進めていきたいと思います。

【記者】総合経済対策についてうかがいます。幹事長は冒頭、「大規模な」と言われましたが、世耕参議院幹事長や萩生田政調会長は、昨年度の補正予算が30兆円を超えたことに触れ、さらなる増額を示唆するような発言をされました。今回の経済対策に必要となる規模感について、どのようにお考えですか。

【幹事長】直近で見えているような需給ギャップを埋める、もしくは来年の成長率、1・1%を大体、2%台の真ん中までもっていくことを考えると、最低でも15兆円規模の対策が必要になってくると考えています。今、物価高という問題もあります。

それから世界経済全体を見ますと、米国やヨーロッパではインフレがかなり進んでいることもあり、これを抑えるための金融引き締め、これによる経済の減速も考えられます。そういった問題への対応も必要になってくると考えています。

当面の物価高等々、また経済の立て直しだけではなく、一年後等々を見据えた経済成長の基盤になるような対策をしっかり盛り込んでいくことが必要になる。まさにこれから詰めていくわけで、大規模で総合的な対策が必要となると考えています。

【記者】週末の毎日新聞の世論調査で、内閣支持率が29%となり政権発足後初めて3割を切りました。また、安倍元首相の国葬への反対が6割を超えました。前回の調査から7ポイント下がり下落傾向が続いていることを含め、幹事長の受け止めをお願いします。

【幹事長】世論調査の結果については常に謙虚に受け止めなければいけないと思っています。各マスコミの世論調査の結果を見ても、さまざまな問題点への指摘などもされているところでありまして、そういったことに対してしっかり対応していく。また今後、物価高や国際経済への対応、さらには国際秩序を守っていく為にどうするか、さまざまな課題もあるわけで、そういった課題にしっかり取り組むことによって、国民の皆さんの期待に応え信頼回復につなげていきたい。

【記者】旧統一教会との関係について。点検結果を公表した後も、修正をした議員が何人かいると思います。現時点で追加報告のあった件数や、新たに報告された議員に関する公表の在り方について考え方をお聞かせください。

【幹事長】旧統一教会に関する事実確認、その全体像については9月8日に公表させていただいた通りです。各議員には今回の調査に当たり、報告の提出後、新たな事案等が判明した場合には、追加で報告をと、8月最初にアンケートを送ったときにお願いをしていまして、それに沿って対応してもらっていると考えています。追加報告によって先ほど申し上げた全体像に大きな変化が出ているという報告を受けていませんが、時期を見て、追加報告については集約をし、公表したいと考えています。

【記者】もう一点、幹事長はガバナンスコードを作成した場合に地方議員も順守してもらうということを示しています。今後、選挙の際、地方議員に都道府県連の公認を出すにあたって、党本部として基準などを決める考えはありますか。

【幹事長】ガバナンスコードを作った際にという言い方をしたか、どういう言い方をしたか細かいところまでちょっと記憶していません。今回、旧統一教会及び関連団体とは、今後一切関係を持たないということを党の方針として決めさせていただきました。この党の方針については、所属国会議員だけではなくて、党全体にも徹底をしていきたい。

【記者】地方議員に公認を出す際に当たっては、どのようなお考えですか。

【幹事長】地方議員の公認であったりとか、推薦、これはわが党においては都道府県連の決定事項ですが、先ほど申し上げた通りです。
先程の質問で言い忘れてしまったのですが、追加の報告が上がってきています。9月8日にも申し上げましたが、必ずしもマスコミのアンケート調査とわが党の質問項目は一致をしていませんので、回答する項目については同じでない。同じでない項目に、あるというのがついたりすることがあり得る、とは事前に申し上げました。
その上で、各議員から報告を受けた内容について、党としてはその内容通りに報告をさせていただいている。率直に言って、あれだけの件数を発表させていただいたので、5人とか10人とか党としてわざと出さない、そんなことはあり得ません。そのことは明確に申し上げたいと思います。

元気な日本復活 10・11

【幹事長】先週から臨時国会が始まった。衆参の代表質問も先週金曜日までに終わり、今週は財務大臣がワシントンで開かれるG20財務相・中央銀行総裁会議に出席する関係で予算委員会は開かれない。この国会、極めてタイトなスケジュールの中で、月内にまとめる経済対策を実行するための補正予算を成立させ、物価高対策、日本経済の再生につなげていかなければならない。

本日から「全国旅行支援」、さらにテーマパークやスポーツなどの「イベント割」がスタートする。また、入国者数の上限撤廃、ビザなし渡航、個人旅行の再開など水際対策も大幅に緩和される。円安メリットも最大限に活かして、コロナからの観光需要の回復、地域活性化に取組み、元気な日本を一日も早く復活させたい。

来春の統一地方選は大丈夫?

記者コラム

自民党の茂木敏充幹事長の鼻息が異様に荒い。旧統一教会への対応についてだ。国政選挙の際の足腰となる地方議員を選ぶ統一地方議員選挙が来春控えているのだが、その候補者に公認や推薦を出すか否かを決めたりする際にも、旧統一教会との関わりを問題にするという。茂木氏は「旧統一教会と今後一切関係を持たない」というのが党の方針だと繰り返す。

だが、選挙支援の拒否だけでなく、現職であっても候補者自身が旧統一教会の信者だった場合にも一切関係を断ち、公認や推薦も取り消してしまうのか。「これで来春の統一地方選を戦えるのか」という声が地方から聞こえてくる。

「自民党は無関係を強調して潔さを印象付けようとしている」と前向きな評価も党内にある。しかし、一方で、「信教の自由の侵害など憲法違反を侵しているのではないか」と懸念する自民党幹部もいる。選挙応援のため地元の事務所に訪れた人にいちいち「あなたは信者か否か」を確認するのは難しいとも言う。それは当然だろう。プライバシーの侵害にとどまらず、信教の自由や国民の政治活動への自由参加という面でも憲法上問題となるからだ。

自民党は今国会で、「足元の物価高や世界経済の減速傾向を見据えた大規模な経済対策を実行するための補正予算の審議」にも取り組まねばならないし、覇権主義を具体的に進める中国、ロシア、北朝鮮への対処も「有事」の段階に来ている。この旧統一教会問題への対応を甘く見ると野党が攻勢を強めて国会での審議時間が減ってしまう。

10月4日には、北朝鮮が中距離弾道ミサイルを発射し、わが国の東北地方の上空を通過して太平洋側に落下するという重大な事案が生じたが、肝心の重要政策に対処できなくなり、政権支持率のさらなる低下を招くことになる。野党はそれでいいかもしれないが、政権側には無責任は許されない。