俳句

天

リハビリや 一歩前進に 秋の雲
（水戸市） 菅原 隆
（高齢者になると、足や膝を傷め歩行困難になるケースが多い。そうした場合、リハビリで昨日より一歩先に進むのが励みとなる。頑張れ）

地

秋祭り 法被にみなぎる 力こぶ
（奈良市） 辻元 誠一
（コロナ禍で中止していた祭りも、去年あたりから解禁され各地で活気あふれる祭りが行われている。神輿を担ぐ人の力こぶが見えるようだ）

人

一万歩の 足のしびれや 秋深し
（東京都） 池谷 晋太郎
（年齢によっては一万歩はかなり難しい限界点。それでも健康のためと頑張っていると、しびれという思わぬ落とし穴に落ちることもある。気を付けよう）

【佳作】

セミたちが 寂しく鳴く 終戦日
（鎌倉市） 蔵原 和子
（短い夏が終わるとセミの人生も終わるのだ）
林檎の顔 赤くなりそめ 遠き空
（福島市） 円谷 徹
（初恋の思い出もそんなものかも）
戦の影 石の上を移る 秋の谷
（静岡市） 鈴木 景子
（平和な人生を歩みたいですね）
線路にも 秋雨の雫 はじきけり
（甲府市） 水野 雲水
（寂しい光景は心に滲みます）

川 柳

天

聞く力 少し分けてよ 妻のグチ
（東京都） 私は沈黙の貝になりたい
（聞く力がウリの首相にすがりたいほど、妻のグチが止まらない。少しその口の栓を締めたい）

地

坊主のこと？ 何のことやら　インボイス
（東京都） 知ったかぶり
（本当にカタカナ語が多すぎますわ。おじさん世代にはまったくわかんない。でも知らないと恥ずかしいよね）

人

今朝もまた もう一本ほしいな　大谷さん
（山形市） ホームランで目が覚めたい
（大リーガーの大谷選手の活躍は今さらのこと。毎朝、ネットで大谷選手のホームランをチェックしてたのはあんただけじゃない）

【佳作】

「離婚して」「はいよ」あうんの 倦怠期
（東京都） 犬も食わない
（そうなんだよね。空気みたいなもんだ）

長髪の 慶應ボーイが うらやましい
（神戸市） 高校野球ファン
（イガグリ君の球児がすきだあ）

これを見よ シルバーパスを 見せびらかす
（東京都） 無職の高齢者
（老人になったっていうことですよ）

パソコンを わしにもほしい？ 恋のため
（津市） がんばる老人
（高齢者も出会いがほしい？）