永田町ファイル

記者会見 3・1

鈴木俊一財務大臣

新年度予算案

【大臣】2点お話をさせていただきます。本日、令和6年能登半島地震への財政面での対応として、支援パッケージの着実な実施のために必要となる追加的な財政需要に対し、総額1167億円の予備費の使用等を閣議決定いたしました。

詳細につきましては事務方にお尋ねいただければと思いますが、今回の予備費等も積極的に活用し、被災地の復旧・復興の加速化に努め、引き続き、政府一丸となって、被災者の生活と生業の再建支援に全力を尽くしてまいります。

2つ目は、金融経済教育推進機構の設立認可についてであります。

昨日、法に基づき、機構の設立について、認可をいたしました。

また同日、機構の理事長となるべき者として、安藤聡氏を、そして機構の監事となるべき者として、武内清信氏を、法に基づき、それぞれ指名いたしました。

安藤氏は、オムロン株式会社において、IR担当の執行役員やガバナンス担当の取締役を務められ、近年、特に職域における金融経済教育の推進が重視される中、社員向け教育の充実化や、CHROの創設など、人的資本経営を積極的に推進してこられた方です。

安藤氏におかれては、機構の理事長として、これまで培った経験・知見・人的ネットワークを活かしつつ、組織のガバナンス面を含めた強いリーダーシップを発揮していただくことで、機構の発展に貢献していただきたいと考えております。

また、武内氏は、公認会計士として、30年以上もの長きにわたりご活躍され、監査及び会計について、高い見識をお持ちの方です。

武内氏におかれては、幅広い知見・経験を活かし、機構の適切な業務運営の確保等に貢献していただきたいと考えております。

金融庁としては、金融経済教育をより一層充実させ、国民の皆さんの金融リテラシーの向上に貢献できるよう、本年4月の機構の設立、8月の本格稼働に向けて、関係者と協力し、準備を進めてまいります。

【記者】新年度予算案について質問します。与党側が1日に衆院を通過させる構えを見せているのに対して、野党側は自民党派閥の裏金問題を問題視し、強引な運営だと反発を強めています。年度内に予算成立を確実とするための衆院通過の期限が迫る中、現状に対する大臣の受け止めをお聞かせください。

【大臣】令和6年度予算につきましては、これまでも申し上げてきたとおり、能登半島地震の復旧復興に向けた対応、日本社会が直面している物価上昇を上回る賃上げの実現に向けての施策、こども・子育て政策や防衛力の抜本的強化など、我が国を取り巻く様々な課題の解決に向けた施策を盛り込んでおりまして、これを速やかに、かつ着実に実施していくことが重要と考えています。

令和6年度予算の意義等について国会や国民のご理解を得ることができますように、引き続き、緊張感を持って国会審議に臨みたいと思っております。

【記者】損保各社の価格調整問題で昨日、改善計画が提出されました。100人を超える役員の大量処分であったり、政策保有株の段階的な解消などが盛り込まれていますが、これに対する大臣の受け止めとご評価についてお聞かせください。

【大臣】昨日、企業保険における保険料の調整事案について、大手損保4社から業務改善計画が提出されました。

各社の業務改善計画におきましては、業務改善命令の内容を踏まえまして、政策保有株式の売却や過度な本業協力の解消等の適正な競争環境の整備に向けた施策、営業やコンプライアンス、リスク管理、内部監査担当部門の機能・連携強化等による、適切な法令等遵守態勢の確立、営業担当者等の社内関係者や代理店に対する適切な教育やモニタリング、経営責任の所在の明確化としての役職員の減給処分等について、記載されております。

金融庁といたしましては、今回の事案を二度と起こさないようにするためには、必要な改善策の実行を通じて、各社の経営管理態勢が抜本的に強化されることが不可欠であると考えております。
今後、こうした観点から、提出された計画を精査するとともに、経営陣の強い指導力により、業務改善策が着実に実行され、実際に改善が進むよう、フォローアップをしっかりやってまいりたいと考えております。