霞ヶ関ファイル

記者会見 3・1

木原稔防衛相

次期戦闘機の第三国移転

【大臣】本日の閣議で、風力発電設備の設置等による電波の伝搬障害を回避し電波を用いた自衛隊等の円滑かつ安全な活動を確保するための措置に関する法律案、通称「防衛?風力発電調整法案」が閣議決定されました。本法案は、風力発電設備が、自衛隊のレーダー等に障害を及ぼすおそれがあることを踏まえ、風力発電設備の設置者と防衛大臣が調整を行う仕組み等を制度化するものであります。自衛隊等の円滑かつ安全な活動を確保するために必要な法案であり、引き続き丁寧に御説明を行い、国会での早期の成立を期してまいります。

【記者】次期戦闘機のですね、第三国移転を巡る与党協議についてお伺いできればと思います。これまで政府が求めてきた2月中の結論は先送りとなりましたが、まず大臣の受け止めと、先送りによって今後の次期戦闘機の共同開発にどのような影響を与えるとお考えかお聞かせください。また、今後いつまでに結論を得ることを求めるか、新たな期限設定がありましたら併せてお願いします。

【大臣】先送りという御指摘でありますが、一昨日ですね、28日に与党の政調会長間で議論が行われたものと承知しております。考え方や方向性については、かなり距離が縮まってきたものの、国民の理解を得るという面で課題が残っているということが確認をされて、速やかに合意を得るべく努力していくことで一致したものと承知しております。私ども政府といたしましては、GCAPについては、3月以降ですね、開発企業間で作業分担に係る協議の本格化が見込まれているということから、2月末という期日を本件に係る与党間の結論を得る時期として、これまでお示しをしてきたところであります。2月末までに結論には至りませんでしたが、政府としては、3月以降に開発企業間での協議の本格化が見込まれているということを踏まえて、次期戦闘機の共同開発に影響を与えることがないよう、できるだけ早期に与党間での最終的な合意を得ることが重要であるというふうに考えております。このため、第三国への直接移転に係る必要性等を更に丁寧に、そしてわかりやすく説明をしていきたいというふうに考えています。

【記者】屋久島での墜落事故により飛行停止中の米軍オスプレイについて、今日にも米軍が、飛行再開の計画をオースティン長官に説明するとの報道があります。日本政府に対して、事故原因の説明や、飛行再開のめどの伝達がなされているか、もしされていれば公表できる内容を御教示ください。また、陸自のオスプレイが飛行再開の見通しがあれば併せてお聞かせください。

【大臣】昨年11月の米軍オスプレイの墜落事故に関しまして、米側とは、事故の状況や安全対策等について確認作業を行っているところであり、そのやり取りの具体的な内容については、米側との関係もあり、現時点ではお答えをすることは差し控えます。これまでも申し上げておりますけども、オースティン国防長官からは、米国防省の関係部署に対して、日本国内のオスプレイの運用前には、必ず私ども日本政府と調整を行うよう指示が出されておりますが、これまでのところ、米側から、日本国内のオスプレイの運用に関する事前調整は来ていないところです。陸上自衛隊のオスプレイについては、事故の状況が明らかとなるまでの当面の間は、その飛行を見合わせておりますが、今後の措置は、オスプレイの飛行の安全確保等に関する米軍の情報を踏まえて、適切に判断してまいりますので、現時点において、運用再開の具体的な時期を含め、御質問に予断をもってお答えすることはですね、現時点では困難であります。その上で、飛行の安全確保は、日米共通の最優先課題でありまして、日米で緊密に連携して対応していくことを確認しています。このため、米軍オスプレイの飛行安全の確認のために必要な情報について、しっかりと情報提供を受けて、同種の機体を運用する防衛省?自衛隊としても、米軍の対応は適切であると主体的に私どもが判断するに至るということが必要だというふうに考えておりまして、引き続き、米側と緊密に連携して確認作業を実施して、適切に対応してまいります。

【記者】沖縄県うるま市での陸上自衛隊の訓練場整備について伺います。自民党の沖縄県連からも白紙撤回を求める声が上がっていることについての受け止めと、大臣、更なる検討を指示されていると思いますけれども、その検討状況、最新情報について教えてください。

【大臣】うるま市における陸上自衛隊の訓練場整備につきましては、今お話しあったように2月27日でしたかね、その沖縄県議会が行われる中で、御指摘の発言があったということを承知しております。また、今後、自民党沖縄県連として防衛省に対する要請活動を行いたいという旨も併せて発言がされているというふうに聞いております。本事業については、現時点において、計画を白紙にするとの考えはありませんが、現在、住民生活との関係を重視するという観点から、取得後の土地の利用の在り方について、改めて更に検討を行っているところであります。この検討においては、省内でしっかりと取り組んでいるところでありまして、その具体的な状況をお答えできる段階にはまだありませんが、結論が得られた段階で、地元の皆様に対して、丁寧に説明していく必要があるというふうに考えます。また、自民党の沖縄県連から具体的な御要請をいただくことがあれば、当然、防衛省としてはそれを承りまして、こうした検討作業の考慮に入れることはあり得るところであります。その上で、しっかりと幅広く検討していこうと考えております。

【記者】北朝鮮の軍事偵察衛星の打ち上げについてですね、韓国の国防部長官が、先日ですね、早ければ今月末にも打ち上げを実施するのではないかという見方を示しました。あわせて、昨年11月の発射した衛星について、ただ回っているだけで、通信していないというような分析を示しましたが、日本政府として軍事偵察衛星打ち上げの動向についてとですね、昨年打ち上げられた衛星の機能の評価について見解をお聞かせください。

【大臣】今指摘があった韓国の国防部の長官の発言については承知しています。北朝鮮の軍事動向については、防衛省として、平素から重大な関心を持って情報収集?分析に努めているところでありますが、事柄の性質上、そういった個々の具体的な情報の内容について、お答えすることは困難であることをまずは御理解いただいた上で申し上げると、北朝鮮は、本年に偵察衛星3基を追加で打ち上げる旨発表しており、今後、衛星打ち上げを目的とした発射を強行する可能性はあるなと認識しています。また、昨年11月に北朝鮮が発射し、地球を周回している何らかの物体が、いかなる機能を果たしているかといった詳細については、こちらについては引き続き分析中であります。政府としては、引き続き、米国、韓国等と緊密に連携して、必要な情報の収集・分析を行うとともに、警戒監視に全力を挙げてまいります。

オスプレイの飛行再開 3・12

【記者】8日に発表された米軍のオスプレイの飛行再開について伺います。国内での飛行再開に向けての最新の調整状況を教えてください。また、地元の説明を終えてからでないと飛行は再開しないという認識でよろしいでしょうか。

【大臣】まず、前段の御質問ですが、今回の運用停止の解除を受けまして、日米間において、運用再開のタイムラインについて、現在緊密に調整を行っているところです。後段ですけども、地元説明との関係ですが、防衛省としては、今回の事故が、地域の方々に大きな不安を与えるものであったということを、改めて重く受け止めているということを表明します。運用再開については、米側とタイムラインについて緊密に調整し、地元の皆様の不安や懸念の払しょくのため、その再開前に丁寧に説明したいと考えています。米側から、事故の状況や原因、安全対策について、これは前例のないレベルで、詳細な情報提供を受けております。私も全てそれを掌握しております。今回の事故に関する米軍の原因分析や安全対策というものは、防衛省・自衛隊の専門的な見地や、また実際にそれを陸上自衛隊も同機種を持っていますから、それを運用する側の立場、隊長であったりパイロットであったり、そういう立場からもですね、あるいは防衛省の専門的な、防衛装備庁のですね、見地からも合理的であるというふうに評価をしておりまして、各種の安全対策措置を講じることで、これは陸自のオスプレイも含めて、安全に運用を再開できるというふうに考えています。同時に、米側からは、事故調査委員会における調査が現在行われているということで、そこには全てつまびらかになるわけですが、その報告書の内容というのは事故の原因だけではなくて、その訴訟、つまり国防省がメーカー側に訴訟する内容であるとか、米国内法の制限がかかっているということであるので、詳細について対外的に明らかにすることはできないということであります。