海外通信

1月14日(火)

レバノンで銀行が襲撃─現金引き出し制限に不満
昨年10月のハリリ前首相辞任表明以来、経済危機に見舞われているレバノンの首都ベイルートで複数の銀行が破壊された。襲撃したのは、現金の引き出しが制限され、海外送金が2カ月以上も禁止されていることに不満を持つ抗議者ら。首都のハムラ通りにある中央銀行前に集まり、抗議がエスカレートした。

15日(水)

米中、22兆円の取引増へ─貿易協議「第1段階」署名
米中両国はホワイトハウスで貿易協議「第1段階」の合意文書に署名した。中国が今後2年間で米国から2000億ドル(約22兆円)相当の輸入を増やすことが柱。ただ、中国の不公正な産業補助金といった構造改革は先送りされ、米国による制裁関税の引き下げも一部にとどまる。貿易戦争が完全に収束に向かうかは不透明だ。

19年は過去2番目の暑さ─世界気象機関
世界気象機関(WMO)は2019年の世界の平均が気温が、観測史上最高だった16年に次いで、2番目に高かったと発表した。

16日(木)

トランプ氏の弾劾裁判開廷─米上院
トランプ米大統領のウクライナ疑惑をめぐる上院の弾劾裁判が開廷した。大統領の弾劾裁判は米史上3例目。100人の全上院議員を陪審員役に審理を開始され、昨年12月に下院が弾劾訴追した「権力乱用」と「議会妨害」について大統領の有罪・罷免の可否を評決する。

新NAFTA法案可決─米上院/大統領署名経て年内発効へ
米議会上院は北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の実施法案を賛成多数で可決した。下院では既に可決済み。トランプ米大統領の署名を経て正式に成立する。唯一未承認であるカナダの批准を待って、年内に発効する見通しだ。

右派ルペン氏が立候補表明─仏大統領選
フランスの右派政党・国民連合(RN)のマリーヌ・ルペン党首が2022年に予定される次期大統領選に出馬する意向を表明した。ルペン党首は報道関係者との新年互礼会で、21年の党大会で承認されることが前提としながら「熟慮した上で決意した」と述べた。

17日(金)

ブラジル文化長官、ナチス演説酷似で更迭
ブラジルのボルソナロ大統領は省庁のトップとして不適切な言動があったとして、文化庁のロベルト・アルビン長官を更迭した。

18日(土)

ヘンリー王子夫妻 英王室「離脱」
英王室は声明を出し、ヘンリー王子夫妻が今春から王室の公務を行わず、王族の称号「ロイヤルハイネス」(殿下・妃殿下)を使用しないことになったと発表した。公金も受け取らない。王室からの事実上の「離脱」で、王室を離れたいと「引退宣言」していた夫妻の意向が認められた形だ。

19日(日)

リビア和平へ首脳集結─独
内戦による東西分裂が続くリビアをめぐり、関係各国はベルリンで和平協議を開いた。リビアの暫定政権と対立勢力双方のトップに加え、英仏独伊とトルコ、ロシアの首脳、ポンペオ米国務長官、中国の楊潔يء共産党政治局員らが集結。主催するドイツは内戦が泥沼に陥る「第2のシリア化」(マース外相)を阻止したい考えだが、産油国リビアをめぐる利害は複雑に絡み合い、具体的成果を挙げるのは容易ではない。

イラン、外国へ飛行記録渡さず─ウクライナ機撃墜
イラン国営メディアによると、首都テヘラン近郊で誤って撃墜されたウクライナ旅客機について、イランの事故調査委員会高官は機体の飛行情報や操縦室内での音声を記録しているブラックボックスを外国に引き渡す計画はないと語った。

関係国がリビア軍事介入停止宣言
東西分裂が続く産油国リビアの内戦をめぐり、欧米や中露、トルコ、中東、アフリカの首脳・外交トップらはベルリンでの和平協議で、軍事介入停止や武器禁輸徹底などを盛り込んだ共同声明を採択した。

21日(火)

米弾劾裁判 実質審議入り
トランプ米大統領のウクライナ疑惑をめぐる弾劾裁判は与党共和党が証人尋問の実施を確約しないまま実質審理入りした。同党上院トップのマコネル院内総務は2月4日に予定される大統領の一般教書演説に差し掛からないよう、最短で月内の裁判終結を狙う。秋の大統領選を控え、早期にこの問題に決着をつけたいトランプ氏の意向をくみ取った。

ラブロフ外相ら留任、ロシア新内閣発足
ロシアのプーチン大統領はミシュスチン新内閣を承認する大統領令に署名し、ラブロフ外相とショイグ国防相は留任した。首相交代で刷新をアピールする中、外交・国防に関しては継続性を重視した人事となった。

22日(水)

初の女性大統領誕生へ─ギリシャ
ギリシャの議会は次期大統領に女性初となるエカテリーニ・サケラロプル氏を選出した。3月13日に宣誓式を行い、正式に就任する。

「五つ星」党首が辞意─伊
イタリアのコンテ連立政権の最大与党で新興左派の「五つ星運動」のリーダー(党首)ディマイオ外相は党首辞任を表明した。伊ANSA通信が報じた。五つ星は昨年9月、中道左派の民主党と連立政権を発足させたが、党の内部対立などで支持率が下落。ディマイオ氏の責任を問う声が高まっていた。

西サハラの領海併合─モロッコ
モロッコ議会はモロッコが領有権を主張する南隣の西サハラ(旧スペイン領)の領海をモロッコの領海に併合することを全会一致で決めた。モロッコのブリタ外相は「陸も海もモロッコ王国の完全な主権下にある現状に合わせた」と述べた。

トルコ東部で強い地震
トルコ東部でマグニチュード6・7の地震が発生、地元メディアによると、少なくとも39人が死亡、1600人以上がケガをしたことが確認されている。

27日(月)

低所得者の永住制限施行へ、米最高裁が下級審決定覆す
米連邦最高裁は低所得者へのグリーンカード(永住権)付与を事実上制限するトランプ政権の政策について、当初案通り施行することを認める決定を下した。合法性の審理中は施行を差し止めるよう命じた下級審の決定を覆した。

ベルギー前国王、隠し子を「実の娘」と認知
2013年に生前退位したベルギーの前国王アルベール2世(85)は認知をめぐって法廷で争っていたベルギー人アーティストの女性デルフィーヌ・ボエルさん(51)を実の娘だと正式に認めた。

28日(火)

米大統領、中東和平案提案
トランプ大統領はイスラエルのネタニヤフ首相との共同記者会見で和平案を発表し、パレスチナが将来、独立国家を建設することを認める姿勢を示した。しかし、パレスチナ側はこの案を「謀略だ」と厳しく批判し、「我々はイスラエルの占領が終わるまで戦い続ける」と拒否する考えを示した。

パレスチナ 和平案〝拒否〟
パレスチナ自治政府のアッバス議長はトランプ大統領が発表した和平案を〝陰謀〟と呼んで非難し、受け入れを拒否した。

ペルーのフジモリ氏長女また拘束
南米ペルーからの報道によると、同国裁判所は過去2回の大統領選での資金集めに絡む疑惑を巡りマネーロンダリング(資金洗浄)容疑などで、フジモリ元大統領の長女で政党「フエルサ・ポプラル」党首のケイコ・フジモリ容疑者(44)の15カ月間の拘束を許可した。容疑者は法廷で直ちに拘束された。

ハーバード大教授を起訴、中国「千人計画」めぐり米司法省
米司法省は中国共産党が外国の優秀な人材を囲い込む「千人計画」への参加をめぐり米政府に虚偽の説明をしたとして、米ハーバード大化学・化学生物学部の学部長、チャールズ・リーバー教授を起訴したと発表した。

チベット人権法案を可決─米下院
米下院はチベット族の人権や信教の自由を擁護する法案を賛成多数で可決した。香港デモへの対応で中国をけん制する「香港人権・民主主義法」と、ウイグル族への弾圧に対応を求めるウイグル人権法案に続き、中国に圧力をかける狙いがあるとみられる。

米政府、米国と中国結ぶ航空便の運航停止見送り
米ホワイトハウスは、中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大への対応を巡り、中国と米国を結ぶ航空便の運航停止は見送ることを決めた。

新型肺炎、米がワクチン開発着手
米国立衛生研究所(NIH)当局者は記者会見で、中国湖北省武漢市で新型コロナウイルスによる肺炎が深刻化している事態を受け、関係企業と協力してワクチン開発に着手したことを明らかにした。3カ月以内に第1段階の試験に入る見通しという。

英、ファーウェイ5G参入容認
英政府は中国通信機器最大手・華為技術(ファーウェイ)による次世代通信規格「5G」網への参入を容認することを決めた。非中核部品などに限定する。米国は機密情報が盗まれるとの懸念から同盟国にファーウェイ製品の排除を求めてきたが、「特別な関係」にある英国の離反で包囲網は事実上崩壊した。

ルノーの新CEOにスペイン・セアトのデメオCEO
日産自動車とアライアンスを組む仏自動車大手ルノーは取締役会を開催し、同社の次期最高経営責任者(CEO)に独フォルクスワーゲン(VW)傘下のセアト(スペイン)でCEOを務めていたルカ・デメオ氏を選んだことを明らかにした。昨年10月の取締役会で、ゴーン被告(同社前会長)の下でCEOを務めていたボロレ氏を解任し、次期CEO人事を検討していた。7月1日に就任する。

29日(水)

新型コロナウイルス培養成功豪研究所
オーストラリア南東部メルボルンにあるピーター・ドハーティー感染・免疫研究所は中国で感染者が多発している新型コロナウイルスの培養に成功したと発表した。中国外の施設では初めてという。

31日(金) 

英がEU離脱、47年の加盟に幕
英国が欧州連合(EU)から離脱し、47年間に及ぶ加盟に幕を下ろした。2016年の国民投票から4年を経て、ブレグジット(英国のEU離脱)問題が節目を迎えた。 今後は離脱に伴う影響を緩和するための「移行期間」に入り、英国は通商や安全保障などの分野でEUと新たな関係構築に向け協議を開始する。

2月1日(土)

イラク新首相にアラウィ氏
イラクのサレハ大統領は、新首相にムハンマド・アラウィ元通信相を指名した。今後は新政権発足を目指すが、利害が異なる各政治勢力の駆け引きは激しく、難航は必至。首都バグダッド市内では早くも新首相指名に反対する声が上がるなど、長引く政情不安が収束に向かうかは不透明だ。

4日(火)

トランプ米大統領、一般教書演説
トランプ米大統領は、上下両院合同本会議で一般教書演説を行った。トランプ氏は大統領に就任して3回目の一般教書演説で、11月の大統領選をにらみ経済や安全保障面での実績をアピールするとともに、民主党候補が掲げる医療保険制度を批判した。

5日(水)

トランプ氏に無罪評決、罷免回避
トランプ米大統領の「ウクライナ疑惑」をめぐる上院の弾劾裁判は、権力乱用と議会妨害の二つの条項ともに無罪評決を下した。トランプ氏は大統領を罷免されないことが決まった。米国史上3人目となった弾劾裁判は、民主党が疑惑を厳しく追及する一方、共和党はトランプ氏支持でほぼ結束し、与野党対立の深さを鮮明にした。

6日(木)

ブティジェッジ氏首位─米民主党員集会
米民主党は、大統領選の候補指名争いの初戦となった3日のアイオワ州党員集会について、集計を100%終えた段階で、ブティジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長が首位になったと発表した。ただ、再点検が行われる可能性があり、勝者は確定していない。

7日(金)

米国でインフルエンザ猛威 死者1万2000人
中国・武漢市で発生した新型コロナウイルスが猛威を振るう中、米国ではインフルエンザが流行している。米疫病対策センター(CDC)は最新の推計値を発表。2019〜20年のシーズンで患者数は2200万人に上ったとし、さらに拡大する恐れが指摘されている。CDCの推計値では患者数は昨年10月以降の累計で2200万人となった。インフルエンザのために21万人が入院し、死者数は1万2千人に達したとしている。